歌とともに流れる時間〜ワタシの好きなストーリー・ソング

 もう1月下旬・・・。ついこの間まで「良いお年を。」なんて言っていた気がするのに。。。
 とは言っても、年末年始はなぜか閲覧数が跳ね上がるこのブログ、ここにきてアクセスもすっかり通常ペースに戻って(苦笑)、世の中はすっかりお正月気分も抜けきったと思われる今日この頃でございます。
 
 さて今回は、「ワタシの好きなストーリー・ソング」と題しまして、コーラスを重ねるにつれてストーリーが進んで行く、ドラマ仕立ての名曲たちを選んでみました。
 寒い夜は部屋を暖かくして、こんな曲にじっくりと耳を傾けながら、長い夜を静かに過ごしてみるのも良いかもしれません。
 まずは、太田裕美さん。代表曲「木綿のハンカチーフ」は、曲が進むにつれて、時の流れとともに醒めていく恋愛感情をある意味、残酷なまでに浮き彫りにしていくスゴイ曲ですよね。太田さんの曲ではその他にも、流れた涙が大地にこぼれて、空に昇って雲になり、雨になってたわわな葡萄を実らせて、ワインになって涙を流した人の下に帰ってくるという、自作による「僕は君の涙」(1999年)という名曲(→動画リンク)もあるのですが、今回選んだのは、冬にぴったりな6thシングル「最後の一葉」(1976年)です。この曲はオー・ヘンリーという作家が書いた物語を松本隆さんが翻案した歌詞ということで、そのままで良く出来た“物語”になっています。歌詞はこちら

 
 続いては、歌詞は太田さんと同じく松本隆さんで、歌うは聖子さんは聖子さんでも“三木聖子”さんの曲。彼女、石川ひとみさんの「まちぶせ」の元歌でデビューした人ということで知る人ぞ知る70年代アイドルですが、今回紹介するのは同じく石川さんがカバーしたサード・シングル「三枚の写真」です。「♪ 16の頃 あなたは18」で始まる歌詞が、3コーラス目は「♪20才(はたち)の私 あなたは22」となり、さて、ふたりの恋の行方は?

歌詞はこちら。「ねえ 目をそらさずに 好きって言える?」というのが、3コーラス目では「ねえ 目をそらしてもいいのよ あなた」になってしまうところが、何とも切ないですね。
 
 時の流れを感じさせるストーリー・ソングの有名どころを紹介しようとすると、とても長い長い曲が多くなってしまうのは自然の摂理かもしれませんね(笑)。
 リンクしておきますので、お時間のある時にぜひ。

 
 もう1曲、どうしても紹介したいのは、ユーミンの「5cmの向う岸」(アルバム『時のないホテル』(1980年)
収録)だったのですが、残念ながらご本人の動画は見つからずでした(カバー動画をとりあえずリンク)。時のないホテル
 歌詞はこちら。「木綿のハンカチーフ」は、都会に出ていった男性の心の移り変わりを追っていますが、こちらは女性ならではの視点で、若気の至りで(見た目を気するあまり)思わず人の良い彼氏をフっちゃう(苦笑)という、チクリと心が痛むエピソードを後日談を含めて鮮やかに切り取っています。機会があればぜひオリジナルを聴いてみて下さい。
 
 最後にご紹介するのは、昭和ウタです。ご本人も素敵なオジサマであられた浜口庫之助さんの作品「花と小父さん」です。このメルヘンソング、色々な方がカバーされているスタンダードな名曲です。短い曲ですが、しっかりと「物語」を見せてくれますよ。可愛くて純粋で、少し切ないこの世界、ある意味とても平和でまさに「昭和」を感じさせてくれますよね。歌詞はこちら

 
 最近のJ-popも含めて物語性の高いストーリー・ソングは数多くあると思いますが、今回は「私の好きな〜」ということでほんの少しだけ紹介させて頂きました。お楽しみいただけたら嬉しいです。