海の向こうの歌謡アイドル、復活。

 このブログも演歌を取り上げたと思ったら、とうとう洋楽にまで手を染めることに・・・。でもね、この人は、洋楽というより、正真正銘の“歌謡アイドル”だと思うのよね。俺と同年代の人なら、きっと、同意してくれると思う。

オリビア・ニュートン・ジョン 40/40~ベスト・セレクション(初回限定盤)

オリビア・ニュートン・ジョン 40/40~ベスト・セレクション(初回限定盤)

 そう、その人は、今年でデビュー40周年のオリビア・ニュートン・ジョン。御年六十ウン歳だそうで(涙)。ただいま来日中、というウワサは聞いていたけれど、まさかの国営放送の歌番組「SONGS」出演に、オドロキと感激のhiroc-fontanaなのだった。放送は11月11日の宵
 1976年、「カントリー・ロード」(ジョン・デンバーのカバー)、「ジョリーン」(ドリー・パートンのカバー)が日本で連続大ヒットとなって、その清楚なルックスと爽やかな歌声で一世を風靡したオリビア。アルバム『水の中の妖精』も日本のアルバムチャートで年間トップテン入りして、まさにトップアイドル、という感じだったのよね、当時は。1976年と言えば、百恵さんの「横須賀ストーリー」とか太田さんの「木綿のハンカチーフ」が大ヒットしたほか、ピンク・レディーがデビューした年でもある。そんな中、青い目をしたまさしく妖精のようなオリビアは“ちょっと背伸びしたい中高生のオトコの子”たちから絶大な人気があったのよね。実際、俺の兄貴(当時中学生)が大好きで、俺はその影響でオリビアのことが好きになったのよね。ホントは歌謡曲のアイドルが大好きなんだけど、それより洋楽のオリビアを聴くほうがちょっとだけカッコいいし、友達にも自慢できる。そんな感じね、たぶん。
 そんなオリビア。先に挙げたカバー・ヒットの元歌でもわかるとおり、デビューからしばらくは清純なカントリー・ミュージック一直線で、初のナンバーワンヒット「I Honestly Love You(愛の告白)」、「Have You Never Been Mellow(そよ風の誘惑)」あたりからポップスに少しづつシフトして、映画『グリース』『ザナドゥ』出演とその主題歌の大ヒットでポップ・スターとして頂点に立ったのが70年代後半。その後1981年の「Physical」からはセクシー路線も開拓して、80年代後半までアダルト・シンガーとしてヒットを出し続けていったわけだけど、ここまでの彼女の歩みを見ても、その音楽性の変遷や、女優への挑戦〜アダルト路線転向といったイメージ展開からしても、やっぱり彼女こそ“歌謡アイドル”に相応しい、と思えてならないのよね。
 さて、オリビアが出演した11日の「SONGS」。やっぱり俺としては、なんだか70年代のアイドル、岩崎宏美さんや沢田研二さんとかの放送回と同じ感覚で観ていたのよね。懐かしいあの歌のイメージを、壊さずにちゃんと歌ってくれるかしら?声は出るかしら?ルックスはどのくらいキープできてるかしら?みたいなね。ワクワクとイジワルな興味とが同居する感じでね。ちょっとした“女性セブン”感覚。
 番組ではその後の乳がんの闘病・克服のエピソードや、慈善活動家としての活躍、彼女を支えてきた愛娘のアーティストデビューなど、“女性セブン”的な期待にも見事に応えながら(笑)、見事にメンテナンスされたと思しき(!)艶やかなルックスで登場したオリビアの熱唱もじっくりと聴かせてくれて、演奏曲は4曲ながらとても満足な内容でしたわ。オリビア、予想以上に声も良く出ていたし、歌の最後でバック・ミュージシャンに「thank you!」と声をかけたりするところなんか、人柄が滲み出ていて本当に魅力的だった。
 アコースティック・アレンジでしっとりと聴かせた「Physical」なんて、女ざかりの脂っこさが抜けたからこそ出せる、本当のオトナの色気が滲み出ている気がして、俺には“女のダンディズム”みたいに思えたのよね。
 久々に再会したオリビア。ホント、昔の歌謡アイドルがウン十年ぶりに現役復帰したみたいで。どうしても声や容姿の衰えは隠せないけれど、やっぱり本質はあの頃のままで。これって、何年か前の太田裕美さんの復活コンサートを見たときの、そのままの感覚なのよね、俺にとっては。
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 ところでね。テレビで観たオリビア、60歳越えてるのにほっぺがとてもふくよかでツルツルしてて、誰かに似てるな〜と思ったら、この人だ、と気がついたの。
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女優。十朱幸代さん。この人も、とても68歳!には見えません。ひょっとしてメンテ方法がオリビアと同じなのかしらね。