「暑中お見舞い申し上げます」キャンディーズ


 暑中お見舞い申し上げます。ホント、暑いですね。
 今年の立秋は明日8月7日。それ以降は「残暑お見舞い」になってしまうので、「暑中見舞い」にギリギリセーフ、ということで(笑)。
 最近なぜかキャンディーズのこの曲が、ぐるぐる頭の中をヘビロテしていて、よし、いい機会だしこの曲をテーマにちょこっと書こうかな、なんて思ってウチに帰って来てテレビを点けたら、ダウンタウンの「ヘイヘイヘイ」で“アイドル夏の名曲ベスト30”なる企画をやってて、なんとこの曲「暑中お見舞い申し上げます」が1位!で出てきてびっくり。こりゃ、書かなきゃ!みたいになって(笑)。
 キャンディーズの夏ウタとしては前にここでも取りあげた「夏が来た!」も名曲だったけど、やっぱり「♪ しょ、ちゅ、う〜う〜おみまい、もうしあげ〜ます〜〜」(この微妙なメロディーラインが最高!)で決まりでしょう。
 この曲、キャンディーズの代表作というより、ひょっとしたらもはや「日本の夏の定番曲」とも言えるじゃないかしら。1977年発売当時の最高位4位・売上30万枚弱という成績は、確かに大ヒット曲には違いないけれど、同時期のピンク・レディー渚のシンドバッド」やジュリー「勝手にしやがれ」のビッグ・ヒットに比べればやや地味目な存在だったのよね。でも、何故か今でも誰もが口ずさめる曲、という意味ではまさに「記録より記憶に残る名曲」の部類に確かに入るだろうし、数多いキャンディーズのヒット曲の中でも「年下の男の子」や「春一番」に並ぶ代表曲として挙げて良いのではないかと思う。ちなみにモー娘。の妹分“℃-ute”がカバーしたことも記憶に新しいところ。
 実はキャンディーズが解散を発表したのが、この曲が大ヒットしていた頃なのよね。吉田拓郎が手がけて大ヒットした前作「やさしい悪魔」の勢いを受けて、ライバルとされていたピンク・レディー旋風も何のその、キャンディーズの持ち前の明るさを十二分にアピールしたこの「暑中お見舞い申し上げます」が順調に連続ヒットして、人気も実力もピークを迎えようとしていた矢先の「解散宣言」だったわけね。いま改めてこの曲の前サビ・オープニングフレーズで聴かせる3声ハーモニーのバランスの素晴らしさや、Aメロではまるで3人の声がひとりの声に聴こえるような「ユニゾンの完璧さ」を思うに、実力的にもまさしくこのころ頂点を迎えていたのにね…と思わずタメ息が出ちゃう感じ。そうしたファンとしての「口惜しさ」と、その一方でスパっと解散を決めた彼女らの「潔さ」といったあたりのせめぎ合いが、キャンディーズというグループを伝説化している所以かもしれないよね。
 作曲は佐瀬寿一さん。ご存知「およげ!たいやきくん」の作曲者ね。底抜けに明るくて、でもちょっぴり日本人の心の琴線に触れるような哀愁味があって、何度聴いてもフレッシュな印象を残す不思議な曲よね。
 ↓振り付けもカワイイのよね。

 ↓ちなみにこちらは知る人ぞ知るボツ・バージョン。明るい曲で彼女たちも楽しそうに歌っているのだけど、やっぱり最終決定バージョンとは「勢い」が違うわね。ご参考まで(笑)。