ブラック・スワン


 またまた観てきました。悪夢映画。
 おもしろかった!大好き!(笑)
 ここまで、よくやったと思う。。。ナタリー・ポートマン。それだけで、この映画の評価の8割は言い尽くせてしまう感じ。あと2割は母親役のバーバラ・ハーシー。かの百物語怪女優、白石加代子さん↓を彷彿とさせる百面相で、猫なで声の過干渉母から一瞬にしてオニババに変身!ナタリー演じる主人公の精神的不安定さを作り出した当事者として、その演技によって見事にストーリーに説得力を加えている感じ。
←この方がバーバラ・ハーシーさん。今後に注目よ(笑)。
 さて映画の方は、本当に最初から最後まで目が放せないうえに、何だかザラザラとキモチワルイ感覚が胸にずっとある感じで、一言で言えば“胸糞悪い映画”なのよね。でも誤解は禁物!それはプレッシャーから来る主人公の不安定な精神状態がフィルムを通してビシバシ伝わってくるからであって、それは鬼気迫るナタリーの演技はもちろん、ある意味その居たたまれないキモチワルサを見事にフィルムに焼き付けたた監督(ダーレン・アロノフスキー)の手腕だろうと思う。
 ちょっとネタバレになるけれど、ニナがバレエのオーディションに向かう後ろをぐらぐらと揺れるハンディ・カメラで追うオープニング・シーンや、不安定な心を抱えながら踊る主人公ニナの背筋に時折ザワザワと鳥肌立たせたり(CGでね)、クライマックスではストーリー自体がニナの見ている現実なのか、はたまた悪夢の世界なのか、観客さえも区別がつかない混沌の世界へと放り込まれてしまう。そう、観ている私たちも恐くて不安で溜まらなくなる。。。
 白状するとね、初めは俺もね、いかにもゲイ好みな(笑)バレエの主役の座を狙った女の子たちのイジワル劇(むっかしのテレビドラマ「赤い靴」みたいなの)を想像してたのよね。ははは。
 でもフタをあけたらこれ、『シャイニング』?あるいは『エンゼル・ハート』?それでなければクローネンバーグ?みたいな・・・(笑 でもWikiには“振付師役のヴァンサン・カッセルがブラック・スワンのサイコ・スリラー的側面をクローネンバーグの初期作品と比較した”としっかり書いてあって笑った。)
 そう、久々によく出来たサイコ・スリラーです。それもナタリー・ポートマンの鬼気迫る演技(そしてモノホンのバレエ)無くしてはあり得なかったかも。
あ、それとバーバラ・ハーシーもお忘れなくね(しつこい? 笑)。
 
ブラック・スワン公式サイト]」