辛いお知らせ~太田さんからの”大切な報告”

始まりは“まごころ”だった。

太田裕美さんが乳癌の治療中という、とても辛いお知らせが・・・。

昨年、私の姉が同じく乳がんであることを知らされたときと同じくらいに動揺している自分に、驚いています。

太田さんはまさに私の人生の一部と言えるくらい、大切な存在になっているのだと、改めて自覚しました。1975年の年末、11歳だった私が「木綿のハンカチーフ」を初めて耳にしたとき、背中に電流が走りぬけて、それ以来ずっと(足掛け45年)、太田裕美さんの歌声とともに生きて来たのですから。

私は残念ながら行けなかったのですが、7月の京都でのリサイタルの時にはもう、病名がわかっていて手術も控えていて。そんなことをおくびにも出さないで、ファンに元気な笑顔を届けてくれていたであろう、太田さん。

11月の45周年コンサートでもきっと、変わらずあっけらかんと、お元気な姿を見せてくれるであろうことはわかっていても、私はステージ上の彼女を見たら、はたして平静でいられるか、自信がありません。

でも、涙は隠して、笑顔で、あなたへ感謝の念を精いっぱい送りたい。

 

 長く続く道

 あなたと歩いてきた

 つまずいたり、転んだり、

 はしゃいだり、笑いころげたり

   「道」作詞:太田裕美

 


太田裕美 道

 さりげない日々に 心からありがとう

 柔らかな日々の 始まりは”まごころ”

   「道」作詞:太田裕美

 (太田さんの書かれたこの詞が、あまりに私の今の気持ちにぴったりで・・・。)

 

 出来れば治療に専念してもらいたいけれど、治療しながら歌い続けること選んだ太田さんを、応援し続けたいと思います。

 ずっと。

 心から。

映画『ロケットマン』と、”ボヘミアン"の影

ロケットマン (オリジナル・サウンドトラック)

ロケットマン (オリジナル・サウンドトラック)

 

ここのところ映画づいてるワタシ。今回は『ロケットマン』。

さて昨年の大ヒットと言えば、『ボヘミアンラプソディ』。ボヘミアン・ラプソディ (字幕版)

ともに70年代にデビューした実在するイギリス出身のアーティストの伝記的映画。そして主人公はゲイであり、その生涯は華やかな表向きとは裏腹に苦悩に満ちていた。おまけに2本の映画の監督は同一人物(デクスター・フレッチャー)でもあったり。

どうしても比較されてしまうであろうこの2本の映画。

先日、『ロケットマン』を観ながら、途中で私は知らず知らずのうちに『ボヘミアンラプソディ』との相違点、それも、今回観ているロケットマンが"優っている点"を一つでも見つけたい、そんな風に観ている自分に気づいて、少し後ろめたい気持ちになった。
エルトン・ジョンは10代の頃からリスペクトしてきたアーティストだったからだ。

でも残念ながら、最後まで私の頭から『ボヘミアンラプソディ』の影は離れないまま、『ロケットマン』の上映は終わってしまった。

エルトンファンの私でさえそうなのだから、あなたがもし、彼のことを良く知らないまま、『ボヘミアンラプソディ』で得た感動の再体験を求めてこの映画を選んだとしたら、やはりどこか物足りなさを感じてしまっただろう。この素晴らしいミュージカル映画の数少ないマイナスポイントを挙げるとすれば、まず第一に、「このタイミングで公開されてしまったこと」、それに尽きると思う。

ここまで、『ロケットマンがまるで『ボヘミアンラプソディ』の二番煎じのように書いてしまったが、実は全く違ったつくりの映画である。

ロケットマン』は、事実を元に構成した正真正銘のミュージカル映画であり、ライブやレコーディングでの演奏場面を忠実に再現した『ボヘミアンラプソディ』とは、音楽作品の扱い方が全く違っている。ミュージカルという構成上、シチュエーションのデフォルメや過度な美的演出は言うまでもなく、劇中曲のリリース順とストーリー上の年代は殆どリンクしていない。

ボヘミアンラプソディ』のクライマックスはいうまでもなくラストシーンのライブ・エイドでのフレディの生涯最高のパフォーマンスシーンであって、物語はそこに向かって一直線に盛り上がりを見せていく。それが多くの観客の感動を呼んだのだと思う。一方、『ロケットマン』では、都度差し込まれる曲の歌詞とエルトンの心情がとても深いリンクを見せていて、エルトンファンにとっては、聞き慣れた名曲の数々が新しい意味を持って(と言うよりむしろ、本来の歌詞の意味合いはこう言う事だったのか、という新鮮な驚きとともに)迫ってきて、ミュージカルシーンの数々はこの映画のまさしくハイライトだった。

大通りで少年時代のエルトンが歌い踊る「The Bitch Is Back」。

心の通わない家族たちがそれぞれの想いを抱えて歌う「I WANT LOVE」。

まさに土曜の夜のバカ騒ぎがワンカットの演出で見事に映像化された「Saturday Night's Alright For Fighting」。 


『ロケットマン』本編映像|「SATURDAY NIGHT’S ALL RIGHT FOR FIGHTING/土曜の夜は僕の生きがい」ミュージカルシーン

ソウルメイト・バーニートーピンとの運命的な出会いが結晶した瞬間としてピアノ一本で印象的に歌われる「Your Song」。

ステージのエルトンとライブ会場が音楽でスパークした瞬間、まさしく皆が"宙を舞う"「Crocodile Rock」。

遥か宇宙に飛ぶのではなく、深く水底に沈みゆくエルトンが、彼=ロケットマンの孤独を切々と歌い上げる「Rocket Man」。

バーニーとの関係が崩れ始めた悲しみに嘆くシーンでの「Sorry Seems To Be The Hardest Word」。

そしてエルトン復活の象徴として、当時のハチャメチャなPVをそのまま、見事に再現した「I'm Still Standing」。

(※これはそのオリジナル版。)


Elton John - I'm Still Standing (Remastered 2016 / Lyric Video)

常にどこか内省的で文学的な深みを持つバーニーの歌詞と、ポップスの体裁を取りながらも格調高い香りを放つエルトンのメロディーのコンビネーション。そこから生み出される奇跡の数々。

エルトンの曲を愛し、彼のこれまでの半生を知っている者にとって、これらのミュージカルシーンはどんなセリフよりも胸に迫るものがあった。

そして演技と歌(すべて本人歌唱)で見事にElton Johnになり切った主役のTaron Egerton(実物より遥かにハンサムとはいえ)の素晴らしさは言うまでもなく、脇を固める共演者たちもそれぞれ印象的で(hiroc-fontana的には”心の無い母親”役のBryce Dallas Howardの無表情演技がツボ)、ファンの贔屓目を差し引いても間違いなく良作と言えると思う。

エルトンファンにはバリオススメ、ミュージカル映画を愛するすべての人にオススメ。ワタシ、ブルーレイが出たらこれ、きっと買います。

rocketman.jp

デビュー45周年記念アルバム『ヒロミ☆デラックス』

オフィシャルHP太田裕美さんのデビュー45周年記念アルバム情報が出されましたね。タイトル『ヒロミ☆デラックス』、11月1日発売決定!だそう。

ツイッターでは今月初旬くらい(?)から、アルバムの準備に入っていることの情報が小出しにはあったものの、hiroc-fontanaとしては「この時期から11月のコンサートまでに間に合うのかしら?」とギモンに思っていたのね。

そうしたら案の定、マッサラな新曲としてはヒャダインさんの1曲(「たゆたうもの」)だけで、「木綿」「さらシベ」のセルフカバー(なんと高嶋ちさ子 ピアノクインテットがバックですって!)を含めて、新録は3曲ということのよう。

その他は、先にアナログで発売された2曲(「ステキのキセキ」「桜月夜」)が「祝!CD化」、朝ドラ"ひよっこ"の「恋のうた」は「祝!オリアル収録」であったりはするわけですけど、正直、ビミョ~、ではありますわね。

ステキのキセキ桜月夜

 

ホンネを言えば、声が絶好調なこの時期に、松本&筒美のゴールデン・コンビ制作の「イブシ銀の新曲」を1曲でもいいから歌って欲しい、なんてことも思っていたのだけど、さまざま"オトナの事情"がそれを許さなかったのかしらね。。。

アルバム後半は「00年代ヒットメドレー」的に太田さんの近年の名曲が並んでいて、大部分がニューミックスであることも嬉しいことではあるし、まあ、近年の太田さんのキャリア集大成的なものにはなりそうで、ファンとしてはやっぱり楽しみですね。

太田さん、45周年おめでとう!

<収録曲/全12曲>

1.ステキのキセキ (新曲)
 作詞:太田裕美 作曲:前山田健一ヒャダイン

2.たゆたうもの(新曲)
 作詞・作曲:前山田健一ヒャダイン

3.桜月夜(新曲)
 作詞・作曲:太田裕美

4.恋のうた(NHK連続テレビ小説ひよっこ」劇中歌)
 作詞:安田佑子 作曲:宮川彬良

5.木綿のハンカチーフ feat. 高嶋ちさ子 ピアノクインテット(セルフカバー新録)
 作詞:松本隆 作曲:筒美京平

6.さらばシベリア鉄道 feat. 高嶋ちさ子 ピアノクインテット(セルフカバー新録)
 作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一

7.First Quarter-上弦の月-(ニューミックス)
 作詞・作曲:太田裕美

8.僕は君の涙 (ニューミックス)
 作詞・作曲:太田裕美

9.パパとあなたの影ぼうし
 作詞・作曲:こんのひとみ

10.初恋
  作詞:太田裕美 作曲:伊勢正三

11.金平糖 (ニューミックス)
  作詞:太田裕美 作曲:吉川正夫、 太田裕美

12.道 (ニューミックス)
  作詞・作曲:太田裕美


仕様:高品質Blu-spec CD2
品番:MHCL 30625
価格:¥3,000(税込)
発売日:2019年11月1日

 

・・・でも、タイトル「デラックス」って。裕美さん流の「なんちゃって」で45周年の重みをかわしたいのでしょうけど・・・何とかならなかったのかしら???

2019年8月、映画三昧でエネルギー補給

今年は春以降、個人的にとても忙しい日々を過ごしてきたのですが、この8月は土曜日が5回あることもあってか、ことのほかゆったりと過ごせる週末が多く、少しずつですが自分らしさを取り戻せているような気がして、それがとても嬉しいのです。

独りきりでは生きていけないことはわかっていても、やはりひとりの時間にこそ、自分が生きていることの意味が強く感じられるような気がします。日常社会の波の中でダメージを受けた部分を補修して、あるいは自分の至らなかった部分を少しだけ軌道修正したりして、また荒波に漕ぎだすための大切なエネルギーを補給する時間。そんな、誰にも邪魔されないひとりきりの時間が、ワタシには不可欠なのだと、あらためて感じた次第です。

  

そしてこの8月、劇場で映画を観られる機会にも恵まれまして、なんと3本も、観てきました。今回はそれらをちょっとだけ紹介させて頂きます。

まずは、話題作ですね。新海誠さんの『天気の子』。多くの若者たちに混じって、ひとり、隅っこの席で(汗)観てきました。

新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド

監督のインタビュー記事を読んで、「セカイ系 - Wikipedia」とかいう言葉も初めて知ったのですけれど、確かに、登場人物周辺のエピソードではクドイくらいディテールにこだわりながら、いつの間にやらストーリーは主人公を中心に、世界を巻き込むほどのスゴイ展開に進んでいるこの感じ、ジブリ系の映画が作品を通じて常に大上段に構えたメッセージを送り出してきたことを横目に、「自分たちはそんなに恩着せがましい大袈裟なこと、考えてないよ」という風に最初から言い訳しているような、"戦わない"姿勢を示す一種の自虐的なカテゴリー付けのような気もしました。

この映画も、どこまでも「美しい東京の(理想)風景」をバックに、無邪気なほどに純愛に突き進む少年を主人公に、前作「君の名は」を遥かに超えるスピーディーかつファンタジック(悪く言えば荒唐無稽)な展開で、55歳のワタシにはストーリーについていくのがやっと(苦笑)だったりもしたのですが、そんな怒涛の展開の中にあって、まるでこの世界が変わってしまったとしても(東京の大半が水に沈んでしまったとしても)結局は、"軽々と毎日を生き続けていく"主人公たちのさりげない逞しさに、らせん状に急転回を続ける「今」という時代に生きる私たち、ましてこの時期に多感な青年期を迎えている若者たちは、まさに次の世を生きるための「ヒトとしての進化形」に向かっているのかも知れない、なんて大袈裟なことを勝手に考えたりしてしまいました。

そんな意味でワタシはこの作品、よくも悪くも、「2019年という"いま"」を映し出している作品のように思いました。

 

続いては、単館系作品の『メランコリック』。

映画『メランコリック』劇場パンフレット

 第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門監督賞受賞作であり、また昨年、あの話題作「カメラを止めるな!」が日本でヒットする前に観客賞2位を受賞したという「ウディネ・ファーイースト映画祭」で新人監督作品賞を受賞ということで、期待感いっぱいで観た作品。

東大卒ニートのバイト先の銭湯が、実は夜中、人を殺す場所として貸し出されていた、というサスペンスタッチの設定から、物語が進むにつれて次第にシュールかつブラックなコメディ要素が増していき、最後はホロリとさせたりもしてくれる。このあたりの「食べているうちに味の変わるガム」感が、「カメ止め」に結び付けられてのプロモ展開に繋がったのでしょうね。

さすがに痛快ドンデン返し一発勝負の「カメ止め」ほどのパンチ力はなかったものの、脚本が良く練られた、期待に違わぬ面白い映画でした!役者陣も芸達者揃いで、インディーズ感漂う作りが魅力だった「カメ止め」に比べて、映画としての完成度はこちらの方が上のように思いました。

日本映画、確実に面白くなっていますね。まだ上映されているようですので、機会がありましたら是非見てみて下さい。映画ファンのあなたにオススメ。

 

さて、3本目もマイナー映画でして、ジャズ・ピアニストBill Evansの生涯を追ったドキュメント『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』でした。

ソングス・オン『タイム・リメンバード』

ワタシ、大学生の頃に少しジャズをかじったりしていまして、その頃からジャズ系のアルバムでずっと"No1作品"として愛聴しているのが彼、ビル・エヴァンスの作品『ワルツ・フォー・デビー』なのです。このブログでも何度か取り上げさせて頂きましたが、私にとって「歌詞のない音楽」がこれほどまでに饒舌で心に響くものであることを初めて教えてくれたアルバムでもあります。

ワルツ・フォー・デビイ(+4)

ピアノの音は、人間が作り出した最も美しい音色のひとつであると思います。それを魔法のように操り、究極の「美」をひたすら追い続けた、彼(Bill Evans)の人生。

その人生は、麻薬あり、家庭崩壊ありの、一般的にみれば破綻したものでもあったのですが、天賦の才能を与えられた者が究極の「美」と対峙したとき、それら"まっとうな人生で求められるべき幸せ"など、もしかすると些末なものでしかなかったのかもしれない。

そんなことを考えさせられました。

晩年期の演奏シーンで、麻薬で心も身もボロボロになってさえ、その指先からこぼれ出す音は美しく研ぎ澄まされていたことが奇跡のようであり、またそれが宿命のようにも感じられて、とても切なくもありました。

彼のピアノの音色には、言霊が宿り、色彩が宿り、そして何より深い部分で我々の心を揺さぶる「大いなる魂」が宿っていた。そんな気がしています。

誰にでもオススメできる映画ではありませんが(残念ながら上映も終了したようです)、最後に動画を張らせて頂きます。

この素晴らしい音楽を一人でも多くの方に知って頂きたくて。


Bill Evans - Waltz For Debby

まさかの、セルフ期ベスト~『SEIKO STORY90's-00's HITS COLLECTION』

40周年で開き直ると、こういう企画もできるのね!まあ、Sony Music Directからのリリースなので、聖子たん本人はあまり関わっていないだろうから、ご本人の記憶からはとっくの昔に消し去られた「黒歴史」の中に埋もれた作品群も、Sonyサイドからすれば固定ファンが必ず動く"打ち出の小槌"に違いないだろうし、「エイ、出しちゃえ!」となったのかしらね。

そう、いよいよ出ました、という感じのセルフ期限定ベスト・アルバム。とはいえ、Sony在籍時代限定なので、90~95年(リョー・オグラとの蜜月期)と、03~08年(真二・ハラダ、ユージ・鳥山、そしてあの頃はまだステキな母娘関係にあった"上原純"ことSAYAKA嬢と、それなりに色々な作家とのコラボ時代)の、足掛け12年分。30年に亘るセルフ期(長い!)の半分にも満たないわけで(苦笑)。セルフ期としては充実していたマーキュリー時代の96~02年はごっそりと抜けているし(1996年の自身の最大ヒット作「Missing You~あなたに逢いたくて」でさえ、シングルバージョンは未収録)、ユニバーサルミュージック移籍後の、まりや、ユーミンYOSHIKIらとのコラボも対象外だったりする。

でもそれはそれなりに意味もあるようで、5年前にユニバーサルから出た35周年記念ベスト『We Love SEIKO』とはほとんど曲カブリがなくって、長年のファンとしてはやっぱりこれ、「買い」でした。ホント、Sonyの思うツボね(苦笑)。

このアルバムが「買い」なのは、ナニゲにアルバム未収録のシングルカップリング曲(「最後の"さよなら"」「二人ならば」)が入っていたりするのもあるけれど、何より「セイコ黒歴史」のアイコン的な作品、MATSUYAKKO名義「かこわれて、愛jing」がきちんと収録されていることね。

その問題の「かこわれて、愛jing」。発売は1993年。Sony第2期の代表的ヒットのひとつ「大切なあなた」をブリブリお花畑の衣装で歌っていた頃の作品で、ムード歌謡の曲調を扇情的なしゃくり上げ全開で歌う聖子たんの「歌謡曲歌手」としての資質を改めて感じさせてくれる作品。作詞は栗尾直樹・リョー小倉の共作、作編曲はオグラたん。まあ恐らく、まだセルフ黎明期で、内輪であれこれ好きなことをやっていた頃だったのかな、なんて思えるのだけど、もともとテレビ番組で「津軽海峡冬景色」なんかを得意げに披露していた聖子たんだけあって、ど真ん中の歌謡曲をノリノリで歌っている感じが痛快なのよね。これ、ヒットしなかったから聖子たんは"無かったコト"にしてしまったけれど、もしヒットしていたら、近年のJAZZみたいにMATSUYAKKOもシリーズ化されていたかも?なんて想像すると、ちょっと楽しかったりする。

そしてもう1曲、PawPaw名義の「WE ARE.」。CSアニメの主題歌だったので、ヒットチャートには登場しなかった作品ながら、これは隠れた傑作。作詞作曲は「上原純」。そう、SAYAKAドーターね。「bless you」も改めて素晴らしい作品だと思ったのだけど、沙也加本人の歌声と同様に、彼女が紡ぐ言葉もメロディーもとても瑞々しくて、透明感がある。この2曲だけでも、曲作りのセンスは明らかに母を凌駕しているような気が・・・(苦笑)。近年の沙也加ちゃんを見ていて思うのだけど、まだ若い今のうちにこの才能がもっともっと業界のオモテに出て来ないものかな~、とね。本人の意向もあるのだろうけど、メディアへの露出が少ないのがとても残念な気がするのは、ワタシだけ?

さて、そんなわけで、80年代のヒット曲を集めた第1弾「SEIKO STORY」

Seiko Story-80's Hits Collection- by Seiko Matsuda (2011-12-07)

から比較すれば1曲1曲の引きの強さでは明らかに負けるものの、通して聴くとどれも一定レベルの王道ポップスが並んでいるように思えるのは確かで、ようやく時代が聖子に追いついた?かのような、感慨に近い思いを抱くワタシがいます(苦笑)。


かこわれて、愛jing (ノーマルVer.歌詞入り)_Matsuyakko

リセット

年末に右手を骨折して以来、骨を固定するために入れていた金属を手首から摘出する手術を7月末にしたのです。

とりあえず、身体的には「金属入りのハイブリッド仕様のワタシ」から元通り「正真正銘のワタシ」になったというわけなのですが、なんだか、不思議なのですよね。

元に戻ったどころか、半年前の自分とは、全く違ってしまった自分がここにいます。

 

この6月・7月と、個人的には結構ハードなコンディションにありまして、実は私、今回の手術(2泊3日の入院)をどこか楽しみに(苦笑)していた部分があるのですね。その3日間、普段はすべて一人でこなしている日常から抜け出して、看護師さんからケアを受けながら、心も体も存分に休ませることができる!・・・というのは、もちろんあったのですが(苦笑)、それ以上に期待していたのが、「全身麻酔」・・・だったのです。。。。

こんなことを書くのは不謹慎であるのはわかっているのですが、骨折したときに初めて体験した全身麻酔の、あの時空を飛び越えたような不思議な感覚、そして目覚めたあと、得体の知れない迷妄や倦怠感を抱えながらも、文字通り「生まれ変われた」ようなあの感覚。それをもう一度体験してみたくて・・・。

(そして、本心では、時空を飛び越えて、ここに戻って来ないこともあるのかもしれない、それもいいな・・・なんていうことも考えたのですが。。。。本当に不謹慎で、申し訳ありません。)

 

そして、何事もなく、ここに戻って来られたワタシがいます。

生まれ変われた?

そう問われたら、「はい」とも言えるし、「いいえ」とも言える。

いま何だか、不思議な感覚の中にいます。

人は常に細胞が入れ替わっていて、半年経てばもう元の自分ではなくなっている、という話もあります。そこからすれば、手術の有無に依らず半年前の自分とは違っていても不思議ではないのですが、そうした意味ではなく、何か深い部分で、この世界と自分との関わりが、変わってしまったような、そんな感じ。

かつて、楽しみに思えたことが、急に褪せて見えてしまったり。

かつてはそこに未来があると思って頑張って来られたことが、とても無意味に思えてきたり。

それでね。例えばワタシ、今までは、自分が生きて行く中で、周囲との関係は良好に保つ方が良いと無意識に考えていて、同僚や上司その他の「知り合いの人々」には反射的に愛想笑いでお世辞を言ったり、ちっとも面白いとは思えない会話に付き合ったりしていたのですね。

でも今は、そんなのは何だかバカバカしくて仕方がなくて。実際、回りで楽し気な会話があっても、それが自分が加わるべき内容だと思えない限り、極力それには加わらないし、まわりから何と思われてもそれで善し!みたいになっちゃっていまして。

そうしたときに、罪悪感や、孤独感・疎外感に苛まれるのかと言えば、それもビックリするほどなくて。

そうは言っても、誰とも会話をしない、笑顔を見せない、そんなことではないのです。親しい仲間内ではこれまで通り会話を楽しめるし、仕事上の役割で必要なコミュニケーションは全く苦にならず、これまで通りです。

ただ、無理してまで意味のない気遣いや、お付き合いをする気が「全く」起こらないのです。

 

まあ、どう転んでも、もう55歳のワタシであります。さほど長くない残りの人生、無理してつないだ「縁」をすべてあの世に持って行けるわけではありませんし、いざというときのために「人脈を生かして」なんてこと、他力本願でセコイぞ!としか思えない偏屈野郎なわけですから、あたりまえに「変わった」だけなのかもしれませんし。

全身麻酔でリセット。

たまたまその時期をきっかけに自分を振り返ってみたら、「更年期メランコリック」どっぷりの自分と重なった。ただそれだけのことなのかもしれませんし。

それにこの、今までに経験したことのない暑さ。

これが加わって、本来のペシミスティック傾向に拍車がかかったのかしら。なんて。

 

そうそう、残暑お見舞い申し上げます(汗)。でした。今回もグダグダの駄文にお付き合いありがとうございます。

ワタシの大好きなこの曲で、天に昇ったように涼しくなってくださいませ。


Eurythmics - There Must Be An Angel (Playing With My Heart) (Remastered)

メモランダム20190729

 突然の放火により貴い命と無限の可能性を秘めた未来が奪われた被害者の皆様、そのご家族の皆様に、お悔やみとお見舞を申し上げます。

 

気のせい?

 ワタシ、6月はじめくらいからずっと、食道から胃のあたりのムカムカが続いていまして、酷いときには胸と背中が痛くてうずくまってしまうようなことが頻発していたのです。

 もしかして、深刻な事態に陥っているのかもしれない・・・。

 真剣にそんなことを思いはじめたとき、7月1日に年一回の定期健康診断があったので、オプションで血液検査の腫瘍マーカーも申し込んで、「首を洗って」その結果を待っていたのです。

 そして先週金曜日に病院から職場にワタシあての封筒が届いたので、ドキドキしながら封を開けて健診結果を確認したのです。

 そこに書かれていた健診結果は・・・。

 

 「異常なし」、「異常なし」、「異常なし」・・・。え?

 胃部のバリウム検査さえ、「特記事項なし」となっていまして。

 今も続く、この胃の不快感は、「気のせい」だと言いたいのかしら??

 おまけに、血糖値も、GPTやγ-GTPも、中性脂肪やら腹囲測定値やら、一時は危険信号が出ていた数値も軒並み改善していて。

 どうやら、ここのところ胃と食道の不快感から「ビール」や「油もの」や「夜のつまみ食い」を控えてきたことが、身体全体では良い方向に影響したのでしょう。

 そこでワタシ、こう考えることにしました。

 この不快感は、ともすれば抑えが利かず破滅的に暴飲暴食を繰り返すワタシに対する、亡くなった肉親たちからの警鐘(「自制しなさい」)なのかもしれない、と。

 そうして改心したワタシ、食事は腹八分目、お酒も嗜む程度の生活に切り替え、いつの間にか胃の不快感はすっかり消えていました・・・となれば、テレビ番組では「亡くなった両親からのメッセージで救われた」とかいう不思議体験談になるのでしょうが。

 実際は「異常なし」という健診結果にまたもやすっかり踊らされているワタシ、昨夜も友人との飲み会でつい三次会まで進んでしまって暴飲暴食、今朝も胸やけで目を覚ます、相変わらずそんな毎日を繰り返しているのです。

 ご先祖さま、こんなワタシでごめんなさい。

 

 

● これで善しとする?

 夏のボーナスで、ウォークマンの機種変更をしました。 

 アマゾンの評価では、音は文句なしの最高評価。一方で操作性(特にタッチ画面)や付随する音楽管理ソフト についてはバッシングに近いような低評価だったので、なにぶん値の張る買い物だし、「どうしようかしら」と随分迷ったのですが、今愛用しているモデルはバリバリ現役ながらも2014年式、愛着もあるのだけど電池の消耗はかなり進んできているし、同時にワタシ自身もこの5年でかなり消耗してきて、老い先短いことが身に染みて感じられるし(苦笑)で、やはり買い替えよう!と。

 そういうわけで、ひと呼吸したあと「レジに進む」ボタンを、クリック。

 そうして新しいウォークマンさんを迎え入れて2週間、音の位相が実にクリアで、それでいて決してうるさくない絶妙なバランスでの音楽再生環境が実現して、満足しきっているワタシがいます。毎日の通勤のイライラも、彼(彼女?)のおかげで、かなり解消している気がします。

 でも。やっぱり付属の音楽管理ソフト「Music Center For PC」は、その悪評通りの「使い辛さ」を見事に発揮してくれまして、インストールしてコンバート作業をした途端、過去に歴代のウォークマン用に保存してきたデータを(内容が重複しているにも関わらず)全部引っ張ってきちゃったりして、その整理に結局、半日以上を費やす羽目に。

 でも、そうこうしながらも次第にそんな「わからずやちゃんソフト」でさえ、慣れてしまえば結局はその不便さがあまり気にならなくなって(麻痺してしまって)、相手に合わせて使いこなしてしまっているワタシがいたりするのです。

 まあ、多少不便でも、ものは使いようよね。なにしろ、音はいいんだから、それでいいんじゃない? なんて、自分に弁解しながら。

 そんなとき、

 いけない。また、妥協してしまった!

 と、もうひとりの自分が声を上げるのです。

 問題があってもそれを曖昧に残したまま、OKな部分がひとつでもあればそれで善しとしてしまう、このいい加減さ。それこそが、今の日本という国(またはこのウォークマンを作っているアノ有名企業)の冴えない現状をおそらく招いたのではないのか・・なんて大袈裟なことを考えてしまうのです。

 これからはウザがられながらも、世の中を、そして未来ある若者たちを、少しでも良い方向に導くために、製品に課題があれば徹底的に追及してクレームを入れ、若者の行動に問題があればきちんと叱ることのできる、メリハリのあるステキな還暦オヤジを目指さなくては・・・。なんて考え始めた途端に、「いいえ、ワタシは絶対にそんな風にはなれないし、なりたくもない。」なんて、あわてて否定していたりするのです。

 こうして買い替えの「ワクワク」を超える「モヤモヤ」を様々に投げかけてくる、新型ウォークマン。こんな製品、イマドキ中々ないですよね。その意味で、ワタシにとっては「買い」でした(苦笑)。

 

● 冷夏って、ほんと?

 梅雨寒から急に猛暑に切り替わって、身体が追い付いて行きませんわ。

 元気いっぱいの夏ソングで、元気になりましょ。まずは、キャンディーズの爽やかなハーモニーが聴けるこの曲。「暑中お見舞い申し上げます」。


暑中お見舞い申し上げます キャンディーズ 1977

 

 夏、青い海といえば、この人かな。タツローさん。「踊ろよ、フィッシュ」。


Tatsuro Yamashita - 踊ろよ、フィッシュ

 

 冷夏予想に反して、突然の熱波が訪れそうなこの8月。こんな暑苦しい曲で「目には目を」効果を狙いましょう!大黒摩季さん「夏が来る」。


夏が来る/大黒摩季

 真夏にカレー食べて、涼しい気持ちになる。そんな感じですよね。 

 それでは、みなさま、素晴らしい夏をお過ごしください。