リセット
年末に右手を骨折して以来、骨を固定するために入れていた金属を手首から摘出する手術を7月末にしたのです。
とりあえず、身体的には「金属入りのハイブリッド仕様のワタシ」から元通り「正真正銘のワタシ」になったというわけなのですが、なんだか、不思議なのですよね。
元に戻ったどころか、半年前の自分とは、全く違ってしまった自分がここにいます。
この6月・7月と、個人的には結構ハードなコンディションにありまして、実は私、今回の手術(2泊3日の入院)をどこか楽しみに(苦笑)していた部分があるのですね。その3日間、普段はすべて一人でこなしている日常から抜け出して、看護師さんからケアを受けながら、心も体も存分に休ませることができる!・・・というのは、もちろんあったのですが(苦笑)、それ以上に期待していたのが、「全身麻酔」・・・だったのです。。。。
こんなことを書くのは不謹慎であるのはわかっているのですが、骨折したときに初めて体験した全身麻酔の、あの時空を飛び越えたような不思議な感覚、そして目覚めたあと、得体の知れない迷妄や倦怠感を抱えながらも、文字通り「生まれ変われた」ようなあの感覚。それをもう一度体験してみたくて・・・。
(そして、本心では、時空を飛び越えて、ここに戻って来ないこともあるのかもしれない、それもいいな・・・なんていうことも考えたのですが。。。。本当に不謹慎で、申し訳ありません。)
そして、何事もなく、ここに戻って来られたワタシがいます。
生まれ変われた?
そう問われたら、「はい」とも言えるし、「いいえ」とも言える。
いま何だか、不思議な感覚の中にいます。
人は常に細胞が入れ替わっていて、半年経てばもう元の自分ではなくなっている、という話もあります。そこからすれば、手術の有無に依らず半年前の自分とは違っていても不思議ではないのですが、そうした意味ではなく、何か深い部分で、この世界と自分との関わりが、変わってしまったような、そんな感じ。
かつて、楽しみに思えたことが、急に褪せて見えてしまったり。
かつてはそこに未来があると思って頑張って来られたことが、とても無意味に思えてきたり。
それでね。例えばワタシ、今までは、自分が生きて行く中で、周囲との関係は良好に保つ方が良いと無意識に考えていて、同僚や上司その他の「知り合いの人々」には反射的に愛想笑いでお世辞を言ったり、ちっとも面白いとは思えない会話に付き合ったりしていたのですね。
でも今は、そんなのは何だかバカバカしくて仕方がなくて。実際、回りで楽し気な会話があっても、それが自分が加わるべき内容だと思えない限り、極力それには加わらないし、まわりから何と思われてもそれで善し!みたいになっちゃっていまして。
そうしたときに、罪悪感や、孤独感・疎外感に苛まれるのかと言えば、それもビックリするほどなくて。
そうは言っても、誰とも会話をしない、笑顔を見せない、そんなことではないのです。親しい仲間内ではこれまで通り会話を楽しめるし、仕事上の役割で必要なコミュニケーションは全く苦にならず、これまで通りです。
ただ、無理してまで意味のない気遣いや、お付き合いをする気が「全く」起こらないのです。
まあ、どう転んでも、もう55歳のワタシであります。さほど長くない残りの人生、無理してつないだ「縁」をすべてあの世に持って行けるわけではありませんし、いざというときのために「人脈を生かして」なんてこと、他力本願でセコイぞ!としか思えない偏屈野郎なわけですから、あたりまえに「変わった」だけなのかもしれませんし。
全身麻酔でリセット。
たまたまその時期をきっかけに自分を振り返ってみたら、「更年期メランコリック」どっぷりの自分と重なった。ただそれだけのことなのかもしれませんし。
それにこの、今までに経験したことのない暑さ。
これが加わって、本来のペシミスティック傾向に拍車がかかったのかしら。なんて。
そうそう、残暑お見舞い申し上げます(汗)。でした。今回もグダグダの駄文にお付き合いありがとうございます。
ワタシの大好きなこの曲で、天に昇ったように涼しくなってくださいませ。
Eurythmics - There Must Be An Angel (Playing With My Heart) (Remastered)