セイコの足跡を追え!今のうちに!

 今年はいわずと知れたセイコさん30周年アニバーサリーイヤー。5月発売のニューシングル「いくつの夜明けを数えたら」、ニューアルバム『My Prelude』のヒットでまずはめでたし、めでたし・・・というカンジでいたら、まだ続いてました。あの商魂逞しいソニーから、BサイドコレクションPart2となる 『Touch me,SEIKO2』、そして映像版ベスト『Seiko Matsuda Video Diamond Bible』が9月に発売とのこと。さすがソニー、売れるうちに売っちゃおう、って魂胆がミエミエ(汗)。
 でもね、ソニーのこの鬼のような商魂、何となくわかるような気がするのよね。だって、セイコたん(本人だけはそれを認めたくないみたいだけど)、今年4回目の年女を迎えたわけよね。たぶん容姿はいろんなオペレーションの結果(!)何とかキープしているものの、21世紀に入ってからの声帯の衰えは顕著だし、今のようなブリブリなパフォーマンスをあと何年続けられるの?っていうと、正直言ってスタッフも不安イッパイだと思うのよね。(本人だけは、さほど気にしていないのかもしれないけど・・・)
 それにね、このブログでも危惧していたとおり、あの強気なウタダでさえ“いーち抜〜けた〜”状態になってしまうほどに音楽業界全体が煮詰まっている中で、いくら人がいいセイコでさえも「50才を機にしばらくお休みしま〜す」みたいな宣言が出ないとも限らない現状なわけよね。だって、30年以上も現役アイドルとして第一線で活躍という前人未踏の地平を切り拓いてきたんだもの、その30年間の苦労は並大抵ではなかったと思うのよね。
 そんなわけで、俺も9月発売予定のCDもDVDも、とりあえず予約しとかなきゃ、みたいな気持ちになってる。
 そんな折、そうだ、と思い立って、15周年アニバーサリーで発売されたDVD『Video Bible』を見ておこうと思ったのね。VIDEO BIBLE-Best Hits Video History- [DVD]原版発売は1995年。シングルでいうと「輝いた季節に旅立とう」の頃、セルフ時代の幕開けの頃で、セイコ自身が自作にまだまだ意欲を燃やしていた時代の作品が多数収めてられている。曲の合間に収録されたスタッフを交えてのトークも、当時、全米進出を経験してそれなりの成果を収めたセイコが当時どんな思いで音楽に向かっていたか、が伺い知れてとても興味深い内容。これ、2003年のDVD発売時に購入していたのだけど、収録時間のあまりの長さから、今まで前編を通して観たことがなかったのだ(汗)。
 正直、9月に発売される『Seiko Matsuda Video Diamond Bible』は、先のモモエのDVDのような、80年代前半のイチバン輝いていた頃のテレビでのパフォーマンスが収録されることはほぼ99・999%期待できないし、どんな内容になるのかな?と思っていたのだけど、今回15年前の『Video Bible』を観直してみて、ああ、そうか、と思ったの。
 恐らくソニーが所有している80年代の古い映像は、ライブ映像なのよね。多分、PVが作られていない時代の曲を収録するとしたら、当時のライブ映像が中心にならざるをえないはず。でもね、大部分が廃盤になっているそれらライブ映像をDVD『Video Bible』で見直して(聴き直して)みると、ドギツいメイクとコスチュームには辟易させられたとしても、セイコ全盛期の澄んだ歌声は、やっぱり息を呑むほどの素晴らしさがあって、貴重なのよね。だから、絶対にのちのち保存版となるはず、そう思った。今回の『Seiko Matsuda Video Diamond Bible』の80年代がすべてライブ映像だとしても、それはそれで貴重な映像集には違いないのだ。
 それだけでなく、90年代のセルフ時代に濫造したビデオ・クリップにしても、今更ながらダンサーとしてのセイコの隠れた才能(それは当時の振付師が太鼓判を押したという)を堪能するには十分すぎるくらいだし、アメリカ人スタッフに囲まれて“アイドル”でも“大スター”でもない存在としてアグレッシブに自分の可能性を探ろうとしていた30代の頃のセイコさんの前向きな思いがあちこちに溢れていて、愛おしいくらいの輝きを見せているのね。こちらも今となっては30代のセイコだからこそ、のオンリーワンの世界になってる。
 いまだ詳細が明らかにされていない『Seiko Matsuda Video Diamond Bible』だけど、90年代以降の彼女の業績を“パクリ”の一言で片付けてしまっていた俺としても、80年代のライブ映像はもちろん、世紀の大スター・セイコの貴重な足跡・保存版として、90年代以降のビデオ・クリップの完全収録を期待したいと思わされてしまっているのよね、いま。
 それもこれも、桑田さんの入院・ウタダの活動休止、というニュースが立て続けに入ってきたからだと思う。何だか、焦っちゃってるわね。俺もトシだし、ね(涙)。