問題作?(笑)『Touch me,SeikoII』

 ソニーがこれでもか、と繰り出すセイコ・30周年アニバーサリー・リリース。
 9月に入ってまず届いたのが、80年代のシングルB面コレクションの第二弾となる『Touch me,SeikoII』。

Touch Me,Seiko II

Touch Me,Seiko II

 第一弾は「Sweet memories」の大ヒットを受けて84年の春に発売されて、87年のCD化以来いまだに初期プレスのままカタログに残り続けているという驚異のロングセラー。ず〜と前にこのブログでも紹介したとおり、その第一弾、元祖(!)『Touch me,Seiko』はhiroc-fontanaも、企画盤と言うよりもひとつの作品集として、愛してやまないアルバムなのね。Touch Me,Seiko
 今回、26年ぶりにその第二弾が企画されて、ヤッタ!すごいわ!と予約したものの、あら考えてみればほとんどの曲、別のCDで持ってるわ、みたいな(笑)。
 この第二弾、シングルとしては「青い珊瑚礁」のB面「True Love」を除いた1st「裸足の季節」から6th「白いパラソル」までの初期のカップリング5曲と、84年「時間の国のアリス」のカップリング「夏服のイヴ」以降89年までの全シングルのカップリング10曲を網羅(+「Sweet memories(Cinema Version)」)した全15曲。
 セイコとしてはアイドルとして一番油が乗っていた82年〜83年の曲たちは元祖『Touch me,Seiko』に全部持っていかれちゃった(笑)格好だから、ちょっと薄味な印象ではあるけれど、やっぱりこうして通して聴いてみると、80年代のセイコ・ポップスというのは本当にクオリティが高かったのだな・・・とタメ息。
 その後しょ○タンがリメイクしたりして名曲の誉れ高い「硝子のプリズム」収録はもちろんのこと、特に、今回の目玉は「Strawberry Time」のB面だった「ベルベット・フラワー」と、「Pearl-White Eve」B面の「凍った息」。ともに87年作品で、アルバム未収録曲。当時のセイコたんの透明感あふれる声の素晴らしさはもちろん、かたやスタ・レビの三谷泰弘作曲&笹路正徳アレンジのきらびやかなファンキー・ポップス、かたや大江千里作曲の上品で静謐感溢れる名バラードで、この2曲の流れがやっぱりこのアルバムのイチバンの聴き所かしら。
 それ以外では、杏里・吉元由美の定番コンビ作品「Angel Tears」(「旅立ちはフリージア」C/W)の収録は、確かに貴重ではあるけれど、う〜ん、セイコとアンリはちょっと相性良く無かったかな、と。井上ヨシマサ作曲「恋の魔法でcatch your heart」(「Precious Heart」C/W)の作詞はセイコたん。こちらは言わずもがな・・・(汗)。この辺りで80年代のセイコ・ドリームは終わっていたのね、みたいな。
 それにしてもこのアルバム、アマゾンなんかを見てもファンからの評判は散々ね。曲順とかジャケットのアートワークとか。確かに最近のソニーの売り方には腹が立つことが多いんだけど、俺は今回はまあ、これでヨシかなあ、と思うのね。例えば曲順で言えば、年代順の収録はあまりに芸がないという向きもあるみたいだけど(元祖(!)『Touch me,Seiko』は曲順もよく練られていた)、今回は82〜83年の曲がすっぽり抜けているわけだから、80年代のセイコの声&歌い方の激変を考えれば、年代順の収録がイチバン自然のような気もするのね。あと、ジャケットワーク(どっピンク)は確かに「下品」だし、第一弾のジャケットのシックな印象を台無しにしちゃったなあ、とは思う。でも、今回のセイコ・アニバーサリーのイメージカラーはピンクなんだし、続編としては同じデザインの色違い、というのはちょっと面白いかな?と俺は思ったのね。Touch Me,SeikoTouch Me,Seiko II
 まあ、ソニーの肩持っても意味ないし、その次は更なる問題作(笑)「Seiko Matsuda Video Diamond Bible」が控えているしね!・・・続く。
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