セイコ・ソングス番外編〜マイ・フェイバリット・シングルズ(of SEIKO)

hiroc-fontana2007-10-25

 「セイコ・ソングス」として続けてきた聖子さんの隠れた名曲紹介シリーズ、10回目でひとまず終了とも思ったのだけど、リンクさせてもらっている聖子ファン専門の評論サイト「MR&O」さんにトラバしてからというもの、拙ブログのアクセス数増加は無視できないものがありまして、今回、感謝を込めて番外編としてhiroc-fontana的シングル曲ベストテンを紹介させて頂くことにしました。(それにしても、いくつになってもベストテンを選ぶってのは楽しいのね。それを実感しつつ・・・。)
 さて「セイコ・ソングス」は、ちょっと地味めながらもキラリと光ってる曲にスポットを当てる、というのがコンセプトだったりしたんだけど、今回さすがにシングル曲になっちゃうとそれは難しくて、案外月並みなラインナップになっちゃったかも、てコトをあらかじめお断りしておきます(笑)。
 では10曲をカウントダウン形式で紹介させてもらいまっす。
10.「Pearl-white EvePEARL-WHITE EVE(CCCD)
(1987年11月、詞:松本隆 曲:大江千里 編:井上鑑
大江千里による教会音楽のような格調高いメロディーと、80年代後半の聖子さんの透明感のある声がマッチした、イメージ豊かな佳曲。大江さんと聖子さん、実は相性バツグンなのに、コラボ作品数が少ないのが残念。
9.ボーイの季節ボーイの季節    (CCCD)
(1985年5月、詞・曲:尾崎亜美 編:大村雅朗
亜美さんの詞はいつもモザイク的で難解なのだけど、足早に去り行く夏と、感傷に溺れずただ一途に未来に向かうボーイ(男子)の「無意識な残酷さ」を重ね合わせたこの曲の詞は秀逸だと思う。聖子さんは取り残される側(女子)の切ない気持ちを、天性の勘で的確に表現して、リアリティを与えている。俺、この曲の持つ独特の「静けさ」が好き。
.「もう一度、初めからもう一度、初めから
(1994年5月、詞:Seiko Matsuda 曲:Seiko&Ryo Ogura 編:R.Ogura)
シンプルで地味な印象の曲ながら、聖子さんの情感溢れるボーカルが素晴らしい1曲。俺は94年のNHK「ビッグショー」での名唱が今も忘れられないのだ。脂の乗り切った30代の聖子さんのボーカルが堪能できるという意味では「あなたに逢いたくて」もいいけど、俺はこっちの方に軍配を上げたい。
.「Bless Youbless you
(2006年4月、詞曲:上原純 編:小倉良)
近年のシングル作品では何と言ってもこの曲がピカイチではなかろうか。歌い手に徹した聖子さんはやっぱりいい。何気ない言葉の連なりが、魔法の声によって輝きを増し、胸に響いてくる。この曲のように聖子さんにはもっと、大いなる愛をテーマに歌ってほしいと思う。
.「赤いスイートピー
(1982年1月、詞:松本 曲:呉田軽穂、編:松任谷正隆
いわずと知れた聖子さんの代表曲。全体的に「淡い」イメージで体裁を整えながら、実は詞も曲も実によく練られ、研ぎ澄まされた「侘びサビの世界」が広がっている。幾度もの反芻に堪えうる、味わい深いエバーグリーン・ソング。
.「天国のキッス[rakuten:disk-otsuka:529189:image:small]
(1983年4月、詞:松本 曲・編:細野晴臣
 ユーミン3部作が「アーティスト聖子」の誕生だったとすれば、この曲で「無敵のポップス歌手・聖子」の完成を見たような気がする。髪をアップにしてフリフリの衣装でこの曲を歌う聖子さんがとにかくキュート、だったよね。細野晴臣氏らしい、ひねりの効いたメロディーと転調がクセになる曲。
.「時間の国のアリス時間の国のアリス  (CCCD)
1984年5月、詞:松本 曲:呉田 編:大村)
 映像喚起力に優れた松本さんの詞に、ユーミンのフックたっぷりでカラフルなメロディー、全編にギターが鳴り響く大村氏のクールなアレンジ。それに聖子さんのボーカルはニュアンスたっぷりで、フレーズ終わりのしゃくりあげや息つぎまでもすべて「表現」の一部になっている感じ。聴き所満載の贅沢な1曲。
.「白いパラソル[rakuten:disk-otsuka:529166:image:small]
(1981年7月、詞:松本 曲:財津和夫 編:大村)
 デビュー以来はじめてのミディアムテンポのシングルということで、ファンにも当初は戸惑いもあったが、聴く程に味が出るスルメ・ソングの代表であるこの曲こそ、その後の聖子ソングの方向性を決定づけたと言えるのかも。この時期しか聴けない、ハスキーになりかけの聖子さんの声も、とても魅力的。歌ってみてわかるのだけれど、メロディーがほとんど下降旋律というのがカギで、それがこの曲に独特の存在感を与えているのだと思う。メロディーメイカー財津さんの凄さを認識できる1曲。
.「ガラスの林檎Sweet Memoriesガラスの林檎    (CCCD)
(1983年8月、詞:松本 曲:細野(A)・大村(B) 編:細野&大村(A)・大村(B))
 やっぱり、このカップリングは最強です。幻想的な「ガラスの林檎」は極限まで贅肉を削ぎ落として究極の様式美「能」の世界までいっちゃったような印象で、もはや芸術作品でしょう。一方の「SWEET MEMORIES」は、いうまでもなく聖子さんを国民的歌手に押し上げた曲として外せない。CMで使われた当初は、名前が伏せられたまま英語詞の部分が流されて、それが実は聖子さんとわかった時はとにかく衝撃だった。当時の聖子さんはナニゲにサプライズの連続で、そのあたりからジュリーやモモエさんの流れを汲む「大スター」の王道を歩んでいたのよねきっと。
.「小麦色のマーメイド[rakuten:disk-otsuka:529177:image:small]
(1982年7月、詞:松本 曲:呉田 編:松任谷)
 さて、hiroc-fontanaが勝手に選ぶ聖子さんのシングル曲第1位はこの曲。一般的にはほとんどスルーされてしまう曲で、ファンの投票で収録曲を選んだ25周年記念盤「Best of best」でも見事、選外でした(笑)。でも、このシブ〜いシングルこそが、俺が聖子ファンになったキッカケなのよねん。スローテンポでどーん・どーんと響くベースに、寄せ返す波のように淡々と繰り返すギターのフレーズ。このイントロのセンスからもう、やられたって感じ。アイドルが夏に勝負するシングルにしては、シブすぎるもん。でもそれを平然とやってのける聖子ちゃんとスタッフサイドのこだわりがカッコ良すぎて、それ以来、俺は聖子さんの虜になってしまったのだ。
 手前勝手な企画に最後までおつきあい頂いてありがとう。では、また。