ひとり旅

 伊勢にひとり旅してきました。

 お伊勢参りはずっと行きたかったので、今回晴れてそれが実現して、それも現地が想像以上に「清浄な気」に満ちているのを感じさせてもらえて、本当に良い旅だったのよね。まるで、自分が生まれ変わったような。
 もともとお伊勢参りには“おかげさま”という考え方があって、お参りできたこと自体が「神様のおかげ」である、と。そんな意味ではね、ゲイひとり旅がそれなりに“ああ、楽しい”と思えてしまうことなんて、まさしく「おかげさま」だよな〜、なんてね。
 まあ、そんなひとり旅だったのだけど、今回はいつになく土地の人とのコミュニケーションが楽しい旅になったのよね。それは、たまたま入ったお店のおっちゃん・おばちゃんとの他愛ない会話があったりした、たったそれだけの話なのだけど、ゲイひとり旅にはそんなことさえとても貴重なエピソード。その意味では、まさしく伊勢の優しくて人懐こい人々のおかげ、よね。
 さて、今回のひとり旅を通じて感じたことがあったので書いておこうと思う。
 「ひとり旅」。
 カッコつけて言ってしまえば、ある時点で結婚せずに独りで生きていくことを決めてしまった自分のような人間って、ずっと、ひとり旅しているのと同じだよな〜、と。そんな風に思ったのだ。
 人との出会いは楽しいけれど、ほとんど次の展開は何もない、一期一会の連続だよね。基本的に。
 そのうえ俺ときたら、誰の人生にもほとんど影響を及ぼさず、また誰にも邪魔されぬよう、こちらからは敢えて面倒なところには近づかないように普段から用心したりしているわけで。。。毎日、ひとり気ままに、仕事帰りに行きたいところへぶらっと寄ったり、食べたい時に食べたいものを食べたりして過ごしている。そしてずっと独りで話し相手がいなくても、ほとんど寂しいとは思わない。毎日歩いていれば、いろんな人と色んな形ですれ違っていくから…。これって「自分の生き方=ひとり旅」、そのままだよな〜、とね。
 特に今回の旅では、神様という大きな存在の前では、家族と一緒にお参りしようが独りでお参りししようが違いはなくて、つまりみんな平等で、こんな命でも一つの命に違いないのだよなあ(有難いなあ!)、としみじみ感じることができたの。そして、自分はおそらく自ら望んで、人生のひとり旅を選択して、ここまで来たのだな、なんて。。。今回の旅でね、何だか「こうして、生きてる(生きていく)自分」というのがとてもリアルに実感できたのよね。それは、何気なく通り過ぎていくばかりの日常ではなかなか気付けなかった感覚。
 それだけでもこの旅は意味があったと言えるのかしら。
 ワタシ、これからも、ひとり旅、続けてまいります。
 ↓ 二見ノ浦へも足を伸ばして。

 ↓ もちろん「伊勢うどん」も。ダシが最高!