おっさんの夏

 もう、おっさんだしね。。。
 最近、こんな文句が自然に口をついて出てくることが自分でも信じられない俺なのだけど、回り(多くは若い人々)のリアクションも余りに自然なので、ああ、それで間違っていないのだな、なんて思う(苦笑)。49才だもの、当たり前よね。
 
 もう、おっさんだしね。。。
 自嘲気味にこのことばを口にしているとき、加齢とともに失いつつある気力と体力を「怠けの口実」にすることへの“後ろめたさ”と、年々輝きを失い醜く変貌していく己への“自己憐憫”と、一方でそれでも何とかここまで乗り越えてきた経験値に対する“少しばかりのプライド”、それらが入り交じった、何とも複雑な気持ちを抱えている自分に気付く。
 
 夏も終盤にさしかかっている今日、扇風機に当たりながらほぼ半日、ボーっとテレビを観たりネットを素見したり無為に過ごしていたら、何故か自分への否定的な感情がとめどなく湧いてきて、やりきれなくなった。
 何もかも投げ出して、どこかへ消えてしまいたい。。。
 週明けに待ち構えている「仕事の山場」、そのプレッシャーが、俺をそんな気持ちにさせているのだろう。
 何だか、遠く過ぎ去ったあの頃の、夏休みの終わりによく似ている。去りゆく夏、宿題やら何やら「やり残したこと」の数々に焦るばかりの気持ちと、その一方で立ち往生するばかりで何も出来ない自分との葛藤。
 それでも若い頃は、“よし、夏休みの最後の思い出をつくろう”と、暑い中を目的もなく友達を誘って遊びに出る気力があった。
 今の俺は、ただ来るべき山場を何とかやり過ごして、あとはとにかく「ゆっくりしたい・・・」それだけだ。
 
 もう、おっさんだしね。。。
 これからはずっと、このことばを呪文のように唱えながら、少しばかり複雑な気持ちを抱えつつ、毎日をやり過ごしていくことになるのだろう。そんな気がしてきた。