ゲイの生態について

 俺、ゲイを自分の中で肯定して、まだ3年くらい。月日は浅いけど、すぐに友達も出来て「ゲイって異常」というこれまでの意識が100%変わったんだ。もちろんゲイこそ選ばれし者、なんてこれっぽちも思っちゃいない。ただ、確かに神様は意思を持ってこういう種類の人間を作られたのかもしれないな、とは思った。何となくだけど。
 ゲイの仲間でも、大部分は俺と同じに普段は普通の男として一般社会に紛れてる人たちだ。彼らは余程興味を持ってその人を観察しない限り多分見た目ではゲイとは分からない。その辺も、ゲイに対する俺の先入観とは随分違ったところだ。話し方や仕草が女性的な人(オネエ)は確かにかなりの確率でゲイだが、俺が見た限りゲイ全体の中では思った程多くないのだ。多分彼らは「目立つ」ので、絶対数より多く感じるのだろう。
 さて、ゲイの仲間達、共通項は「男」が好き、ということなのだが、それ以外は本当に千差万別。趣味もスポーツからバイクから歌や手芸まで様々だが、唯一の共通事項である「男」のシュミでさえ実に多種多様なのである。その辺はストレートな男女と何ら変わりなく、逆に性を超越している分多様性があるかもしれない。それまでステレオタイプに情報を得、ゲイのイメージを決めていた俺はここでも目からウロコ。こうしてどんどん抵抗感がなくなったんだ。
 そんな中、俺の趣味である「歌謡曲」、これはかなりの高い確率でゲイの好物のように思える。(歌謡曲好きがみんなそうだ、というわけでは勿論無い。)ゲイだから歌番組が好きなのか?歌番組をよく見るような(いわば女性的)家に生まれたからゲイになったのか?卵が先かニワトリが先かみたいな話だが、これは不思議なゲイの生態の一つと見ている。実際、ゲイの仲間同士でアイドルや音楽の話をすると大抵は盛り上がれたりするんだ。井上望、とか神田広美、とか天馬ルミ子!とかポンポン出てくるんだもの。ストレートの男同士ではほとんどあり得ない会話だ。また、野球が苦手もしくは全く興味が無いというのもゲイに多い特徴(野球「選手」には興味深々だけどね)。例えば「オンナ投げ」。野球嫌いで野球の経験も少ないから当然ボールの投げ方もおかしいんだよね。俺、それで馬鹿にされて嫌な思いを一杯したんだけど、同じような思いしてるこっちの世界の友達がいたんだ。それ以外にも野球好きな上司や同僚の話に無理やり付き合わされるのって、ホント居心地悪いし疎外感を感じたりするんだけど、ゲイ仲間ならまず安心。
 結論。昔から歌謡曲好きで野球嫌いな俺ってやっぱり正真正銘のゲイ。周りの仲間を見て良くわかった。
 今まで無理しなけりゃもっとラクに生きられたのかもな。