通勤電車の忌々しい人々〜白人コンプレックス

 先日、地下鉄車内での話である。
 ガタイの良い30代位の白人男性がシートに座っていた。長髪のうえ、口から顎にかけて髭を伸ばしていて、服装もあまり洗練された印象はなかった。いわゆる白クマ系である。ゲイの間では人気あるけど、一般的には決して「美しい人」という分類に入るタイプではないだろう。(ちなみに白状すると、俺はこのタイプ、かなり好物なのだけど。)
 よく見ると、肌は抜けるように白いし、高い鼻に乗っかったふちなしの眼鏡や、自然にウェーブした金髪なんかは、やっぱり「キマッテル」のね。俺は、やっぱり白人には敵わないな〜、なんて思いながらチラチラと彼を見て楽しんでいた。
 彼は身体が大きかったから、彼の両隣は、微妙な幅で席があいてしまっていた。スリムな女性ならやっと座れるような幅が。
 次の駅でドアが開くと、人がどっと乗り込んできた。どうなるかな〜と見ていたら、彼の両脇には、何のためらいもなく二人の若い女性が座った!のである。彼に身体を密着させて・・。
 おいおい。日本人の、デブで髭で長髪で眼鏡でダサい格好した男の隣でも、そんなに平気で座れるんかい?おまえら!
 思わずそうツッコミを入れたくなったのだった。
 白人コンプレックス。そう、こんな、俺こそが。