My Little Lover「スロウな恋」

 2002年12月リリースのアコースティックアルバム『Organic』のエンディングを飾った曲。
 最近、この曲にハマっている。ン・タタ、ン・タという、エイトビートのリズムを淡々と刻むドラムと、ほとんどピアノだけのシンプルなアレンジ。
 リズムパターンで言えば70年代のJDサウザーの名曲「ユア・オンリー・ロンリー」を髣髴とさせるが、この曲はよりスマートに、研ぎ澄まされているイメージがある。

 独りきりで生きていくことも
 無理じゃないと何となく思ってたこのごろ
 現われたのは何故 何故なのかしら?
 あなたの気配がだんだん増えてゆくの

 ゆっくりと盛り上がる主人公の切ない気持ちを、エッジを極力抑えたおだやかなAkkoのボーカルが、丁寧に綴っていく。この詞。自然な時の流れを感じるゆったりとしたテンポと、どこまでも静謐さをたたえたサウンドによって、まるで己の心の独白を自ら聞いている気持ちにさせられるのだ。(今「スロウな恋」の真っ最中なこともあり・・。)
 マイラバの曲たちは俺にとっては究極の「スルメ・ソングス」。何度聴いても飽きない味わいがある。「スロウな恋」再収録の名曲ベスト『Self collection〜15Currents〜』も、いまだに聴きまくっている。小林武史さん、いい仕事してます。