さよならアメリカ、さよならニッポン

 岩国の米軍基地移転問題について、住民投票の結果は反対票が大勢を占めた。それでも防衛庁は「住民の理解を得て」あくまでも移転を進めるとのことだ。はあ〜、と(まちゃまちゃじゃないが)思わずため息が出てしまう。日米安保体制の下、この国は結局アメリカの支配下にあって、政府はアメリカに抵抗できないのだ。たとえこの国の民がどれだけ抵抗しようとも、だ。「地域エゴイズム」と言い放ったのは、自民党片山幹事長。最近の政治家は、「民」の当り前の気持ちを理解しようともせず、逆にそれを責めるような発言さえ平気でするゴーマンな輩ばかりであきれてしまう。地域エゴだなんて言えるのだったら、使いきれない自分の月給で基地の隣の土地を買い占めたらいかがか、片山。
 しかし困ったことに、破綻寸前の財政状態の中、政府は米軍再編に関わる巨額な費用までも、嬉々としてアメリカに差し出すのだ。国民の血税をだ。「思いやり予算」とか何とか言ってね。
 対中国・北朝鮮への外交は強硬路線、その一方で対米外交は完全に「服従」路線。それが今の日本。アメリカに安全を保障してもらっているのだから仕方ない、ということだろうが、だとすれば目と鼻の先に位置する彼の国々を挑発するような行為をまず慎むべきではないのか。靖国参拝とか、某右翼外相の度重なる問題発言とか、緊張の種を自ら蒔いておいて、安全保障をお願いしますアメリカ様、というのはどう考えてもおかしい。米軍駐留の口実を与えているようなものだ。
 そう、ここで得をするのはアメリカ(の軍需カンパニー)だけなのだ。
 だからといって、自衛隊を軍にして、国は自らの手で守るから、アメリカ軍さようなら、と、そう簡単にいくはずもない。それには憲法改正をはじめ、徴兵の問題、予算の問題、冒頭のような基地問題など、実現を前にクリアーすべき大きな問題が山積しているからだ。
 つまり、日本は今の方向で進む限り、アメリカの呪縛から決して逃れ得ない。首根っこを押さえられ、蹂躙されたあげく、骨の髄まで徹底的にしゃぶりつくされていくのだ。国民はBSE牛肉を食わされながら、美味しい美味しいと騙されたままでね。腹が立つわあ。
 ところが、昨日のNHKで、小泉政権の支持率は先月よりアップしたとのニュースを見て、俺は卒倒。こんなに馬鹿にされておきながら、なおも支持している国民が半数近いなんて、どうしても信じられない。皆さん、とても我慢強いのね。