キャンディーズ「やさしい悪魔」別バージョン発見

 ず〜と前に、ナベプロの映像集「歌の妖精」を紹介したとき志村けんの踊りでも有名なヒット「やさしい悪魔」のパフォーマンスが、今あの頃の映像を見るとレコードと比べて意外なほどチープだった、みたいなことを書いたのね。
 それは、レコードでは例えばサビの「♪Ah、Ah〜、devil〜」とか、ダブル・レコーディングも駆使したかなり分厚い3声ハーモニーが聴けるのだけど、テレビでのパフォーマンスではほとんど地声のユニゾンばかりで、薄っぺらい印象なのよね。1977年1月の発売から早や30年経って、あの頃の彼女たち歌を楽しむ機会はほとんどCDだけだったから、それに馴染んだ耳には、いざ当時のキャンディーズが生で歌う「やさしい悪魔」があまりに“やっつけ”感が漂っていたから、なんだか興ざめだったのね。悪くはないんだけど。
 まずは聞いてみて。これはその“チープな”フツー・バージョン。動画サイトにある「やさしい悪魔」はほとんどがこれと同じなのよね。

 このバージョンも一応、サビではハモリのコーラスが聞こえるけれど、これはキャンディーズ自身がハモってるのではなくて、バックコーラスのお姉さんがハモリをつけてるだけなのよね。

 でもね、見つけたのよ、動画の「やさしい悪魔」別バージョンを!レコードと同じ“ハモリ・バージョン”ね。それがこれ↓。志村さんとのいかにも楽しい息の合ったコントも一緒にお楽しみくださいませ。

 見事にハモってるでしょ。歌い出しの「♪あのひとは〜あ〜くま、ha」のところもキレイにハモってて、気持ちいいこと。これはおそらく、この曲が発売になってごく初期の頃のパフォーマンスだと思うのね。A・ルイスがデザインしたというレオタード衣装も、胸がキュートなリボンになっていて、いかにもオリジナル・バージョンっぽいし。
 その後どういう経過でテレビでの「やさしい悪魔」のハモリが消えたのかは知らないけれど(多分、この曲の主旋律はキイが低いから裏メロとのバランスが悪かったのかな、なんて想像するのだけど)、キャンディーズの魅力はやっぱり美しいハーモニーだ!と俺は思っているので、やっぱりこの初期バージョン(と勝手に名づけます)の方が断然シャレた感じで良いと思う。
 そういえば、レコードとテレビではバージョンが違うケースとしては、一部ではこれが有名ね。

「真っ赤なくるま!」って、何だか間抜けなことさせられたモモエさんが可愛そう。NHKのバカ!
 セイコさんでも、実はあの「渚のバルコニー」がレコードとテレビでは違うのよね。レコードの方ははキイが低くて声が出ないまま録音してしまったから(ハードスケジュールが原因?)、テレビではキイを上げて歌ってたのね。だから、テレビでの「渚のバルコニー」の方がより明るい印象に。
 ききくらべてみてくださいね。まずはレコード・バージョン。

 次はテレビでのパフォーマンス。

こちらの方が断然、声が溌剌としてる。
・・・でもね、今のセイコさんだと下手すると元のキイでも高くて声が出ないかもね(苦笑)。