清水ミッチャンはゲイのカリスマ?

バッタもん
 先日、シミチコこと清水ミチコさんのライブに初参戦してきたのだ。彼女にとっては3年ぶりのライブツアーとのこと。
 ライブ会場は三軒茶屋にある世田谷パブリックシアター。こじんまりとしたオシャレな会場でのたっぷり2時間半、俺にとっては、濃密な笑いに満ちた、それはそれは至福のひととき、だったのよね。
 今回は昨年発売のCD『バッタもん』を引っさげての全国ツアー(笑)だけあって、あの上海万博で話題の“バッタモン”ソングでオープニング。もうそれだけで、ワカル人にはたまらないミッチャン・ワールドに引き込まれる。あとは、ドラえもんならぬ、文字通り“バッタもん”くんの登場や、あの黒柳テツコさんやオザワ氏(?)までフィルムゲストで登場したりして、抱腹絶倒の嵐。ミッチャンのアイデア満載のステージは、本当に最後まで何が出て来るのかわからなくて、観客を飽きさせないのね。久しぶりに笑い過ぎて、帰りはグッタリと疲れた俺なのである。
 ところで、今回とてもびっくりしたのは、観客に「お仲間さん(=ゲイってことね)」が凄く多かったこと。ミチコさんもそれをご承知らしくて、オープニングのトークで「今日は男性も、女性も、どちらでもない人もたくさん来て下さってありがとう」みたいな挨拶をして笑いを取っていたくらいで。短髪、ヒゲで妙にガタイのいいカップルたちが観客席のアチコチに。(そういう俺も、ゲイの友達と一緒だったのよね。笑)
 俺、ミチコさんのことは前にもこのブログで取り上げたとおり、ずっと前から好きだったのだけど、まさか“お仲間”に“ミチコ好きお仲間”がこんなにいっぱいいたなんて、妙に嬉しかったのよね。
 それにしても、なぜ、清水ミチコはゲイに人気があるのか?それを考えてみたのね。
 まず一つは、ミチコさん独特のブラック・ジョーク。いわゆる“ビッチな”感覚ね。これはゲイのたしなみのようなもので、相手をコキ下ろしているようでいて実はそれも愛情の一環よ!みたいな。だから毒を含んだジョークでも、お互いが笑い飛ばせる。そのビミョーなニュアンスは、一度ハマるとタマラナイものがあるのよね。それに、そういった毒と愛情を含んだジョークってのは実はとっても頭の回転を早くしないと追っ付けないから、インテリが多いゲイのお眼鏡にかなうのかもね(そういえば、俺が敬愛するバーのママも、「清水ミチコ好きよ、参考になるわ」って言ってた!笑)。
 それと、忘れてならないのは、卓越したピアノプレイをはじめとした彼女の音楽的才能&美的センスよね。ミチコさんのそれは、バッタもんのようでいて実は本格派そのものであって、そんなシミチコを楽しむことができるという行為自体が、優れた審美眼を持っていると自負しているゲイたちのプライドをくすぐるのかも。“違いのわかる男、ではなくゲイ”ということね。
 はたまた、モノマネ、という生業(なりわい)自体、ゲイにとって共感すべき何かがあるような気もするのよね。いつも自分だけ中途半端な立場で、まわりの人々を分類したり観察したりすることが上手く生き抜くために必須のテクニックだったりするわけで・・・。だから、ヘテロまっしぐらなオヤジたちには、もしかすると清水ミチコさんの繊細な芸は理解できないかも、なんて思うのよね。なんとなく。
(あら・・・何だかゲイの負け惜しみ、みたいになってきたかも。ストレートの方でもし気分を害された方がいたら、ごめんなさいねっ! ←お笑いの“響”風に。) 
 でもね、何と言っても、清水ミチコがマネする芸能人の数々、それを隅々まで知りまくっているという“ゲイノー界好き”というのが、ゲイ・ピープルの特性でありまして(笑)、やっぱりそこが「シミチコファン=高ゲイ率」のイチバンの理由かもな、なんて思うのね。
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