ありえない!

 今回の大惨事、本当に“ありえない”出来事でした。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 それにしても。

 ケータイは繋がらず、この肝心な時に安否確認には全く役に立たなくて。
 年末年始の「明けおめメール」でさえ毎年パンクするんだから、非常時にこうなるのはわかってただろうに。その対策を打ってこなかったことは、明らかな人災だと思います。

 首都圏の交通は麻痺。地震後の安全点検にかこつけて運休、また運休。動き出したと思えば、計画停電とかでまた運休、もしくは大幅な間引き運転です。大災害のなか首の皮一枚で生き残った首都が、そのお陰でパニックです。
 「非常事態、みなさんで協力してほしい」ですって。これ、被災者のためでなく、東電の不手際に協力しろってことでしょうか。おまけにいつやるのか、本当にやるのかやらないのか、直前まではっきりしない「計画」停電って。どこが「計画」なんでしょう。おかげで私たちは大混乱です。

 その東電、地震多発地帯にバンバン原子力発電所を設置したあげく、曰く「想定外でした。」という一言であっけなくメルトダウンを招き、それにもかかわらず、相変わらず無責任で胡散臭い会見をくり返すばかり。関係者がどれだけ「大きな影響はない」とくり返そうと、いまや非常事態だってこと、多くの人がうすうす感づいてるはず。「ウソばっか!」です。
 3年前に紹介したこのサイト「原発がどんなものか知ってほしい」。この命懸けの警告が現実のものになりつつあります。
 被害から逃れた首都圏のスーパーマーケットから何故かパンやお米や電池が消え、都内のガソリンスタンドは電車の代わりの通勤手段となった自家用車で長蛇の列。その陰で被災地では食料はもちろん、唯一の移動手段である自動車の燃料が多くの避難所で不足しているといいます。
 政府は、原発事故やコンビナート火災の危険性を警告するチェーンメールについて自制を促すくらいなら、その前にまず、まるで70年代石油ショックのときのトイレットペーパー買占めを再現したかのような、首都で起こっている無意味なパニックを鎮めるほうが先だと思うのです。あまりにもズレています。

 私たちの一番の不幸は、こんなとき、何もしない、なにもできない菅という人が首相であることでしょう。首相はこの非常事態に、物見遊山で原発までヘリで遊覧してる場合ではなかったはずなのです。
 首都に残り、まずは被災地への最大限の援助をし、一方で交通網・流通網を保護して国のブレーンとしての首都機能を何としてでもキープし、原発には対策専門家チームを編成して最優先の対処をし、そして国民を勇気付けるメッセージを送り続ける。それが、本来の政府の姿なのではないでしょうか。

 私たち日本国民はいま、海外からその冷静沈着な対応を高く評価されています。でもそれは裏を返せば、あまりに“お上”が情けないから・・・ということに他なりません。

 ホントーに!ありえない!