ロックな夜。太田裕美コンサート2013〜まごころ39

 7月5日(金)、渋谷マウントレーニアホールで行われた「まごころ39」の第二夜。
 素敵な一夜でした。6月の「フォークな夜」の方はhiroc-fontana的には何となく曲目の予想がついていたので、「ああ、やっぱりこの曲よね。」的に落ち着いて楽しめた感じだったのだけど、「ロックな夜」となると元々イメージ的に“太田裕美とロック”というのは結びつかないし、前回の“フォークな夜”でライブ定番曲をかなり披露し終えていたこともあって、今回は「次は、どんな曲?」というワクワクの連続でした。実際、かなり久しぶりにライブで聴く曲も沢山演ってくれて、曲数は前回より少なかったけれど、それ以上に満足感のあるライブだったかも。観客の手拍子も曲を重ねるごとに大きくなって、やっぱり“フォーク”よりも盛り上がっていたみたい。
 今回、太田さんは黒いドレスで登場。“フォーク”の時の白ドレスとの対比が見事でした。清楚な白ヒロミに対して今回はチョイワル・黒ヒロミ、というところかしら。そしてロックだけあって、演奏はハンドマイク中心、歌って踊るパフォーマー太田裕美が炸裂。ピアノ弾き語りでは両手が塞がっているから「声のみの勝負」だけど、それに「フリ」が加わると、元々ある“歌の表現力”が最大限に発揮される印象で、歌の訴求力も倍増。ライブシンガー・太田裕美の凄さが再認識できたような気がする。
 曲はこんな感じ。(私の記憶のみに頼っていますので、曲が抜けていたり順番が違っているかも知れません。あしからず。)

〜ハンドマイク〜
1.イルカが空を泳ぐ晩(2000年、ミニアルバム『神様のいたずら』)
2.木綿のハンカチーフ(1975年、シングル)
3.移り気なマイボーイ(1983年、アルバム『I Do, You Do』)
4.南風〜SOUTH WIND(1980年・シングル)
〜ギターを手に〜
5.上弦の月(1999年、記念CDBOX『太田裕美の軌跡』)
6.すぐに君の声を(2006年、アルバム『始まりはまごころだった』)
(ここで長いMC。「ロック」というのは“ガツンと行くこと”“自分の心に正直になること”と前置きして、「言おうか迷ったけど、心に正直に、重大発表します」と太田さん。ざわつく会場を前に訥々と語りだしたのは…。太田さんの意を汲んで敢えてここでは書きません。私としてはとっても共感できる、太田さんらしい内容のお話だったと思う。最後に「離婚発表じゃなくて、ガッカリ?」と太田さん。爆笑)
7.Nenne(1978年、アルバム『海が泣いている』)
〜ハンドマイク〜
8.九月の雨(今回はボサノバ・バージョン。1977年、シングル)
〜ピアノ弾き語り〜
9.ひぐらし(1975年、アルバム『心が風邪をひいた日』)
10.恋のハーフムーン(1981年、シングル)
11.振り向けばイエスタディ(1978年、シングル)
〜ハンドマイク〜
12.満月の夜君んちへ行ったよ(1983年、アルバム『I Do, You Do』)
13.ドール(1978年、シングル)
14.さらばシベリア鉄道(1980年、シングル)
15.ねえ、その石は(1985年、アルバム『TAMATEBAKO』)
〜アンコール〜(ピアノ弾き語り)
16.恋愛遊戯(1977年、シングル)※ハットを被って登場。可愛かった。
17.Drifter(1983年、アルバム『Far East』)
(E.G&Per:岩井眞一、A.G:河口修二)

 上弦の月! ひぐらし! Drifter! 思わずきゃ〜!というカンジのhiroc-fontanaでした(笑)。「移り気なマイボーイ」ではカリアゲにしていた頃の元気印そのままに飛び跳ねる太田さん、澄んだ高音を駆使して「九月の雨」をボサノバでしっとり聴かせる太田さん、そして「ねえ、その石は」では、より円熟味を増した表現力で観客全員の心を惹きつけた太田さん。2回のライブでもこんなに違った顔を見せてくれるなんて思わなかったし、デビュー39年目にしてまだまだ何かしてくれそうな期待を持たせてくれる、最高のライブでした。そうそう、声も絶好調でした!