諸行無常の響きあり〜「The Medal Song」Culture Club

 このブログも今年で10年目。開設当初41歳だったワタシ、今年はいよいよ五十路突入でして。。(汗)
 振り返ればこの10年、ちっぽけなワタシの半生(反省)では、もしかするとバツグンに安定した10年だったのかもしれないなんて、いま思っている。実を言うと今、公私ともに様々な変化を余儀なくされるようなハナシがいくつか持ち上がっていて、それはある面では人生後半を送るうえでは避けて通れない事柄であることは重々承知していながらも、ホンネではどうしようもなく“気が重いこと”“やりたくないこと”ばかりであって、こればかりは如何ともし難い。たとえ変化は乏しくとも、平穏に淡々と日々を過ごせることがいかに有難いものであったか、この10年を振り返りながら今更ながら思ったりしている。
 ま、愚痴はこの辺までにしておいて(苦笑)、今回はいまのワタシの心境にぴったりな、大好きな1曲をご紹介。なんと洋楽です。
 80年代に一世風靡したイギリスのバンド、ご存じ元祖オネエ(笑)、ボーイ・ジョージ率いるCulture Club1984年にリリースした「THE MEDAL SONG」(3rdアルバム『Waking Up with the House on Fire』収録)。当時、彼らの人気は既にピークを過ぎていて、この曲もイギリスのチャートで最高位32位に終わってしまったわけなのだけど、ワタシとしては彼らのベスト・ソングだと勝手に決めている。Waking Up With the House on Fire
 まずはPVをご覧くださいませ。

 この曲のサビを意訳すると、以下のようになる。これがなんとも、沁みるのだ。

 人生は二度と 同じようにはならない
 人生は二度と 元には戻せない
 怒り 喜び 涙 痛み を繰り返しながら
 人生は移り変わってゆくのさ
   
 Life will never be the same
 As it was again
 Life will never be the same
 As it was again
 Through my anger and my joy
 My tears and pain

 こんな歌詞(全編はこちらをご参照)を、どこか哀愁味を帯びたボーイ・ジョージのボーカルで聴かされると、彼自身の波乱万丈の人生(ドラッグ騒ぎやら何やら・・・)が自然に被ってきたりもして、詞が一層説得力を増してくる感じ。彼らが得意としていたファンカラティーナの陽気な曲調が、逆に無常ならぬ“無情”感を醸し出していて、これがまた胸にグッとくるのよね。
 ちなみにPVに出てくる“フランシス・ファーマー”は、実在した米国の女優で、当時のハリウッドの慣習を批判したりで一目置かれる存在だったものの、人生後半は薬物やアルコール中毒などで、結局不遇なまま生涯を終えた人物、とのこと。この曲は彼女に捧げられた曲でもあるらしい。

(略)
 天変地異でも起きれば 王の権威すら脅かされ
 ましてや僕の大切にしていたものなど 奪い去られるのさ
(略)
 心の中がどしゃ降りのときは
 僕は世界に向かってこう言いたくなるんだ
「見せびらかすメダルを手に入れるよりも
 僕はこうして君と踊っていたい」(ただそれだけさ)
(略) 
 東から日は昇り、西に日が沈む
 僕はまたメダルをつけるのか?
 東から日は昇り、西に日が沈む
 僕らは踊り 雨を降らすこともできる 
 
(以上hiroc-fontanaの、もの凄い意訳ですけど・・・汗)

 これは、まさに諸行無常の世界で。
 変化を受け入れる心と、変わらぬ愛を信じる心と。
 それが大切だよな、なんて考えさせてくれる、素晴らしい曲だと思う。