夏の終りのライブ三昧

 夏と言えばライブ!なんて最早決まり文句だけど、去年までの自分には全く関係なかった。ところが2015年の夏は、俺の人生でも特別な素晴らしいライブを立て続けに体験。これまでに無い印象的な夏の思い出、かも。

 8月17日。なんと、サザンのツアー・ファイナル、22年ぶりの武道館ライブに行ってきました!
 最新アルバムに封入されていたハガキで応募して、2回の抽選をくぐり抜けて初めてゲットできるという、プレミアム・チケット。hiroc-fontana、今年の運をすべて使い果たして(苦笑)当選メールを受け取ったときは、職場にいたもかかわらず思わずガッツ・ポーズ。なんたって、デビュー以来37年の付き合いにして、初めての生サザン(!)ですもの。
 CDアルバム応募ハガキ1枚につき1名限定、それも入場時に身分証で本人確認要、ということでフタを開ければ「おひとりさま」限定ライブ。俺にピッタリ。見渡せば40-50代のファン層中心で、そんなところもしっくり。おまけに懐かしの武道館というわけで、初めてのサザン・ライブはどこか「懐かしい」気がした。
 なんと全37曲!3時間半以上という演奏時間はさすがに初体験だった俺なのだけど、忘れかけていたアルバムのちょっとマニアックな曲さえ(「Computer Children」とか「おいしいね」とか)何となくメロディーを口ずさめることが自分でもオドロキで、3時間半もあっという間。(セットリストはこちら)。途中寸劇が入ったり、エロいダンサー陣が乱入したり、炎は何度も爆発して、入場時に配られるLEDブレスレットがクライマックスで舞台照明とシンクロして会場じゅうで光り出すともう盛り上がりは絶好調で、俺も大声で歌を歌いながら手を振り振り、興奮の渦に心地よく身を任せていたのでした。(武道館の2階席は、満員のファンの熱気がこもって物凄い暑さだったけど、汗だくになって応援し続ける隣のオヤジにつられて俺も頑張りました。)「栞のテーマ」、「栄光の男」、そしてアンコールの「みんなのうた」。アノ曲、コノ曲。サザンの曲と自分の40年が串刺し状態になって胸に迫ってきて、涙ウルウル・・・。何度も。
 それにしても還暦間近の桑田さん。一時はご病気で心配もしたけれど、サービス精神たっぷりで4時間近く歌いまくるそのパワーは圧倒的で、いまや誰もが認める「日本一のバンド」であるサザンオールスターズがなぜこれほど愛され続けているのか、その理由が改めてわかった。(もちろん、ハラボーはじめ、オールスターメンバーたちもみんなステキでした!)
 会場出口では記念に「ぶどうジュース」をもれなく配布。ありがとう、サザン。
 

  • 風待レジェンド2015

 「松本隆 作詞活動45周年記念オフィシャル・プロジェクト」。8月22日(日)・東京フォーラムに行ってきました。
 こちらも約40曲、演奏時間約3時間半、という長〜いコンサート(苦笑)で、さすがに今年の夏の終わりは"ライブ漬け"だったナ〜と、ちょっとタメ息。でも今回はね、汗だくでずっと立ちっぱなしだったサザンのライブとは正反対の、ゆっくり座って鑑賞できる落ち着いたコンサートで、何より次から次へとアーティストが登場して松本隆さん作詞の名曲を歌ってくれるわけで「次はだれ?演奏曲はなに?」という期待感であっという間の3時間半。いわば「松本隆しばりの紅白歌合戦」をNHKホールで見ていたらこんな感じかも?と思ったの(笑)。
 再結成したはっぴいえんど(3人になっちゃったけど)から、太田裕美さんは当然として、原田真二さん、大橋純子さんと続いて、うわ石川ひとみさん!イモ欽トリオ早見優ちゃんまで!という感じで、さまざまな時代の様々な歌手・アーティストが登場。松本隆という作詞家のその振幅の大きさを改めて感じ取り、尊敬の念を抱かざるを得ない。そして、どんな作品も決して下世話でなく、日本語の美しさ・品格を纏っているのが素晴らしい。
 吉田美奈子さんの圧倒的なパフォーマンス(ジャズアレンジの「ガラスの林檎」が素晴らしかった!)や耳を惹く鈴木茂さんのギターに酔いしれ、こちらも再結集のナイアガラ・トライアングルが大滝さんの名盤「ア・ロング・バケイション」を再現する狭間に、安田成美さん、斉藤由貴さん、水谷豊さんといった、今では滅多に見られないレアなボーカル・パフォーマンスに会場中がどよめき、拍手の渦。
 ほとんどの歌手が1曲に全身全霊を込めて歌い、ほとんどトークもなく入れ替わる構成がとても贅沢でした。願わくば、松本隆さんの歌詞をもっと味わう意味でも、スクリーンに歌詞を映してほしかった(曲によってはバックの演奏に歌が負けてしまっていたから・・・安田成美さんとかね 苦笑)。
 出てくる曲、曲をほとんど歌えてしまった自分。太田さん&聖子さんだけでなくやっぱり松本さんの詞とともに歩いてきた半生だったのだな、としみじみ思えた感慨深いコンサートは、かけがえのない2015年夏の思い出になりましたわ。
 松本さんが久しぶりに手掛ける秋リリースの聖子さんシングル作品に期待が高まるばかり・・・。

保存版パンフレットに、右は会場で配られた「木綿のハンカチーフ」、私は紺色。BSでも近いうち放送されるそうです。
「風街レジェンド」オフィシャルホームページ