彷徨

愛しているから、
 意味もなく気を遣う必要などないと思えてしまったり。
愛しているから、
 何も言わなくとも自分をわかってくれていると思い込んだり。
愛しているから、
 素直な自分で居られると勘違いしてしまったり。
そして、
愛しているから、
 この気持ちがいつまで続くのか、不安でたまらなくなったり。
愛しているから、
 些細なことで相手を疑う気持ちが抑えられなくなったり。
愛しているから、
 自分と同じだけの愛を呉れて当然(相手には愛が足りない)と
 考えてしまったり。
 
どうして人は(私は)、いつまでもこんなことを続けてしまうのでしょうね。
 
所詮、人はそれぞれの心を持った、別個の人生を生きる「個体」ですから、どれほど心を許し合える相手であっても、すべての思い、感情を共有できるわけもありません。
たとえ一緒に住んでいる家族でも、瞬間・瞬間に相手が何を考えているのか、結局はわからなかったりします。
ましてや、たとえ親しくしていても眠る場所が違う誰かが、自分と一緒でない時間にどう過ごし、何を考えているかなど、知る由もありません。
 
そうした中でも、愛すべき人であると思えるのなら、相手の存在(と自分の存在)、それだけですべて完璧に揃っていることを信じ切れたら良いのに。そんな思いになれたら・・・。それを切望している私がいます。
でも、それがなかなか難しいのです。
 
私の魂はまだ、彷徨を続けていかざるを得ないようです。