太田裕美コンサート2017(東京編)レポ

 6月24日(土)、おなじみの渋谷文化総合センター大和田「さくらホール」で行われた太田さんのコンサートに行ってきました。

 4月の京都でのコンサートに続き、hiroc-fontanaとしては今年2度目のナマ太田さんは、もはやファンの間では伝説の番組になった(ちょっとオーバー?)「名盤ドキュメント」以降の驚くべき再評価の高まりとも相まって“第2次全盛期”とも思えるほどにステージ上で輝いていて、そしてそんな太田さんを迎えるファンの熱気もここ何十年と見られないほどに高まっていた感じ。京都も素晴らしかったけれど、今回はそれ以上に、非の打ちどころのない充実したステージでした。
 こちらも恒例、楽しいトーク(hiroc-fontanaのアレンジですが)を挟んで当日を振り返ってみます。(曲抜け、順番違いなどおればお許しくださいね。)

 白いワンピースにショート・ヘアの太田さん登場。〜ピアノ〜 
1.雨の予感(1st『まごころ』・1975)
 ☆フュージョン・ロック調の長いイントロを達者なミュージシャン3人+太田さんが完璧に再現。ファンタスティック!
2.青い傘(5th『12ページの詩集』・1976)
3.雨だれ(1stシングル・1974)
〜季節柄、雨にちなんだ曲を選びましたが、今日はあまり梅雨らしくないお天気ですね〜(当日は晴れ時々曇り)。去年のさくらホールのコンサートは2月だったので冬の曲を沢山歌ったのですが、どうしても重い曲が多くなってしまって・・・。なので今回は夏に向けて夏らしい曲を選びました。次の曲は本当に久しぶりに歌います。
〜ギターを手に〜
4.オレンジの口紅(4th『手作りの画集』・1976)
5.河口にて(10th『Feelin’Summer』・1979)
 ☆ピアニカ演奏
〜ギター・コーナーではいつも、蔵出し曲を歌わせてもらってます(笑)。1979年の7月に発売した『Feelin’summer』は、松本さんと筒美先生から離れて初めてのアルバムでした。「河口にて」の作詞は来生(えつ子)さんなのですが、このアルバムから選曲しようと考えていた丁度その頃、来生(たかお)さんとの共演(彼の曲を本人とレコーディングしたとのこと)のお話が来て、ビックリしました。たかおさんとはその時に初めてお会いして、不思議なご縁を感じました。でも次の曲は来生さんの曲じゃないんですけどね(笑)。今日のコンサート、お誘いしたけど来られないって言われてしまって・・。 だから、いいでしょ?
6.掌の夏(10th『Feelin’Summer』・1979)
7.エアポート'78(8th『ELEGANCE』・1978)
〜「名盤ドキュメント」は本当に反響が大きくて、ソニーさんからも在庫切れになるくらいに売れている、と嬉しい連絡も頂きました。番組で私も初めてマスターテープを聴き直したのですが、時間にあくせくせず、じっくり丁寧に、好きな音楽を創れた幸せな時代だったな、と改めて思えたんです。秋にはアナログ盤も発売が決まったというニュースもあって、信じられない気持ちです。次はそのアルバムから歌います。
〜ピアノ弾き語り〜
8.袋小路(3rd『心が風邪をひいた日』・1975)
9.水車(みずぐるま)(同上)
10.青春のしおり(同上)
〜「袋小路」は、松本さんもお気に入りだそうで、リクエストされたのですけど・・・今日は来てくれていません(笑)!京都は来てくれましたけどね。「水車」は、私が作詞作曲した曲ですが、本当に拙くて恥ずかしいので、あまり歌ったこともなかったんです。でも「名盤ドキュメント」で真心ブラザースさんが仰っていた通り、たしかに20歳の少女にしか創れない世界には違いないな、貴重だなと。それで思い切って今回、歌わせて頂きました。
〜メンバー紹介〜
「青春のしおり」の歌詞に出てくる「赤毛のアン」にちなんで、メンバーに“一番好きなの本は何?”と話を振るも、西海氏、岩井氏ともに“あまり本を読まないので・・・”と。これには太田さん「男どもはこれだから・・」と飽きれ顔(会場、爆笑)。その後、大古さんがやっと「嵐が丘」と答えてくれて、しばし女子の恋愛トークに。
〜スタンド〜
11.真夏の出来事(最新AL『tutumikko』・2014)
12.南風〜SOUTH WIND(17thシングル・1980)
 ☆今回も“Let's Shine!”で人差し指を立てて腕を回す振り付けが会場のあちこちで見られました。
13.ドール(12thシングル・1978)
14.木綿のハンカチーフ(4thシングル・1975)
〜もう、終わりだと思った?まだだよ〜(笑)(←今回も、出ました!)私は2(?)年前からツイッターをしていて、息子から“こんなことはゼッタイ書いちゃダメ”とか教わったんですけど、幸い温かいコメントばかりで、一度も炎上することもなくホッとしています。前回京都で「売茶翁」の話をしたときにそのお名前を思い出せなかったんですけどあとで調べてツイッターで流したり、今回、オリジナルロゴマークを募集したら沢山の素敵なデザインの応募があって、その中から選んだデザインでTシャツを作らせて頂きました。ツイッターもSNSも、キチンと良い方に使えば本当に便利なんですよね。
15.金平糖(シングル(みんなのうた)2011)
 ☆オープニング・アドリブ・バージョン。
16.青空の翳り(14thシングル・1979)
17.七つの願いごと(3rd『心が風邪をひいた日』・1975)
 ☆コーラスごとに盛り上がっていく曲をまたまた3人のバックミュージシャンが見事に再現。
〜アンコール〜 ロゴ入りオリジナルTに花柄のスカートで再登場。
18.さらばシベリア鉄道(19thシングル・1980)
19.葉桜のハイウェイ(『I Do,You Do』1983年)
 ※アナザー・バージョン。歌の最後に太田さん「前向きに、幸せに、生きて行きましょうね!」とメッセージ。
(EG&B&Per:岩井眞一、AG:西海孝、Pf&Key:大古富士子)

 いや〜、本当に今回の太田さん、ノッてました。歌声も低音は力強く、高音域は澄みきってよく響いて、見事にオリジナルキイで歌いきってくれたそのお姿は、最近のメディアでの注目度を自らの力に蓄えて、パワーが溢れているように思えましたわ。まさに、今が“旬”。といっても過言ではない感じ。
 そんな太田さんの充実ぶりに呼応してか、3人のバックミュージシャンとの息もいつになくピッタリで、ボーカルにも演奏にもスキがなく、ず〜〜っと惹き込まれっぱなしだったhiroc-fontana、太田さんの曲と過ごしてきたあの時代、この時代にトリップしきりでした。泣いて笑って、最後はすっきり、前向きに。。。ありがとう、太田さん。
 あ〜、今回のライブも映像で残してほしかったな〜。
 
(追伸)思えば太田裕美さん再評価の前哨戦だったかもしれない「STEREOSOUND」誌の“オーディオ名盤コレクション”シリーズ。昨年SACD化された『こけてぃっしゅ』『ELEGANCE』(ともに既に完売)に続く太田裕美復刻プジェクト第2弾として、話題の『心が風邪をひいた日』と、声が絶好調だった頃の5th『12ページの詩集』のSACD化が決まったそうです。番組でも聴いていたマスターテープに記録されていた、太田さん20歳の頃の澄んだ歌声が、どれほどリアルに再現されるのか?楽しみですね。